環境へ配慮していることをアピールする商品が増えています。そんななか…
最近、環境への配慮をうたった商品、よく見かけますよね。
そうだね。僕も、できるだけそういう商品を選ばなきゃなあ。
いい心がけね。環境に配慮している商品なら、多少高くても利用するという消費者も増えているみたいよ。
グリーン購入っていうんですよね!
ところで、足尾さんは、環境にいい商品かどうか、どうやって判断しているの?
えっと、「地球にやさしい」みたいなことが書いてあるものを選んだりとか…。
それだけでは不十分ね。どういう点で環境に配慮しているのかを、きちんと確認しないと。
えっ?
実際には環境にいいかどうか確かではないのに、環境に配慮しているかのように消費者に誤解させるような表示をしている場合があって、問題になっているのよ。
その話、聞いたことあります。確か、「グリーンウォッシュ」っていうんですよね。
そのとおり! あたかも環境に配慮した商品であるかのように見せかける表示のことを「グリーンウォッシュ」と呼ぶのよ。グリーンと、ごまかすという意味のホワイトウォッシュを組み合わせた造語なの。
へえ~。
グリーンウォッシュが横行すると、消費者が環境表示を信じなくなって、きちんと環境に配慮している商品の信頼まで落ちてしまうわ。それに、消費者に誤解されるような表示をした企業は、社会的な批判を受けることになるでしょうね。
それは防がないと!
日本では、環境省が、「環境表示ガイドライン」を作成しているわ。環境表示が、消費者にとって理解されやすく共感できる有益な情報として機能することを目的としたガイドラインよ。
どんな内容なんですか?
第三者認証を受ける必要がない事業者などの判断に任される表示、つまり自己宣言で行う表示を対象に、「あいまいな表現や環境主張は行わない」ことを要求しているわ。
あいまいな表現って?
「環境に安全」「環境にやさしい」「地球にやさしい」「無公害」「グリーン」など、環境への配慮を大まかにほのめかす表現のことよ。それに、美しい自然の映像やシンボルマークなどは、あたかも環境に配慮しているかのような印象を与える可能性があるから、使わないように求めているわ。
つまり、漠然とした主張はダメっていうことですね。もし、環境主張をしたい場合は、どうすればいいんですか?
正確で誤解を与えない、かつ実証されていて検証可能な説明文をつける必要があるわ。たとえば、再生資源材料を使用していることを主張するなら、ただ、「○○を使用しています」ではなく、商品のどこに何%使用しているかを明確に示す必要があるの。
それはわかりやすいですね。
もちろん、第三者機関によって保証・証明されていないのに、それをほのめかすような表現もしてはいけないわ。
当然ですよね。
このほか、環境主張が正しいかどうか検証するための評価方法を準備し、行った評価について文書にし、その文書を情報公開することも求められているわ。
う~。たくさん要求されているんですね。
きちんと環境に配慮した商品開発や活動を行っている企業や商品を、消費者が正しく選択できるようにするためには、確かな情報が必要だから、どうしても要求事項は多くなってしまうわね。
判断するためには、情報が必要ですものね。
僕も、これからは、表示をしっかり読むようにします!
<環境表示に対する要求事項>
1、あいまいな表現や環境主張は行わないこと
2、環境主張の内容に説明文を付けること
3、環境主張の検証に必要なデータおよび評価方法が提供可能であること
4、製品または工程における比較主張はLCA評価、数値等により適切になされていること
5、評価および検証のための情報にアクセスが可能であること
※LCAは、ライフサイクルアセスメントのこと
環境省「平成25年3月版 環境表示ガイドライン」より
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