会社からメールアドレスを支給されている人、アテンションプリーズ!
会社のメールを私用で使っていませんか?
カタカタカタカタ…(キーボードを打つ音)
筋野さん、めずらしくパソコンに向かって、マジメに仕事していますね。
カタカタカタカタ…(ニヤニヤしながら打ち続ける)
ん?「明日のお台場デート、楽しみにしてます」って、完全に私用メールじゃないですかっ!!
固いこと言うなよ~。人生で何度もない大チャンスなんだからさっ!
でも、会社のメールアドレスから送っちゃって、大丈夫なんですか??バレちゃいませんか?
大丈夫だよ。会社のメールだからって、会社がウラで読むことなんかないだろ。
ふふふ。どうかしらね~?!
あっ、えり先輩!?
まず、基本的な考え方をおさえておきましょう。そもそも会社の業務用パソコンやメールを送受信するための情報システムは、仕事のために会社が費用を負担しているものだから、仕事の目的以外で使うのは、原則としてNGよ。
勤務時間中に私用メールをすることは、職務に専念する義務に違反することになりますしね。
うっ…。そ、そうはいっても、会社のメールとはいえ、プライバシーがあるから、会社が社員のメールを勝手に見るのはNGですよね?
そうね。社内規定でメールの私的利用を禁止していない企業で、職務の遂行の妨げにならず、会社の経済的負担も軽微なものにとどまる場合に、従業員のメールの私的利用はある程度許容されており、一定のプライバシーがあるとした裁判例はあるわね。
よ、よかった~。
でも、そもそも、社内の情報システムは、会社の管理者が監視・保守しているものだから、完全にプライバシーが保護されることを期待できるわけではないですよね?
そうね。監視する職務上の合理的必要性が全くないのに、個人的な好奇心などから監視した場合など、「監視の目的・手段などを総合的にみて、監視される側に生じた不利益とを比較した上で、社会通念上相当な範囲を逸脱した監視が行われた場合」に限って、プライバシー権の侵害となる、とされているわ。
ということは、筋野さんが私用メールばかりしているようだと疑う合理的な理由があって調査が必要、と会社が判断すれば見られても仕方がない、っていうことですよね。
その可能性はあるわね。
誰に見られても恥ずかしくないメールだけにしておいたほうが、身のためだな…(ぼそぼそ)。
ええ…(僕もあのメール消しておこうっと)。
たなやん、今、何か言った??
い、いえ、別に…(もごもご)。
あやしいなあ~。二人とも、変な対策をするぐらいなら、まずは仕事に専念してくださいね!
◆会社の業務用パソコンやメールを送受信するための情報システムは、仕事のために、会社が費用を負担しているものであり、仕事の目的以外で使うのは、原則としてNGである
◆会社には従業員の不正などの調査権限があり、「合理的な理由があって調査が必要」と会社が判断した場合、責任ある立場の者が、従業員のメールを適切な方法で監視することに問題はない
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