第一法規株式会社|教育研修一覧

2014/02/25号

~SNS、自分で書き込みをしていないのに!?~の巻

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筋野さんが、スマホで新商品のゲーム機の写真を撮っています。何やら、よからぬ予感がします…。

筋野さん、写真なんか撮って、どうしたんですか?

あ~、見られてたか~。実は、姪っ子がうちのゲーム機のファンだから、新商品の写真を見せて喜ばせようと思って。

そういうことですか。筋野さん、最近SNSにハマっているようだから、写真をアップするんじゃないかと思いました。

会社の秘密を載せちゃいけないってことくらいはわかってるよ。えりさんに耳にたこができるぐらいしつこく言われてるからな。

ふ~む、まだ足りないみたいね。

え、えり先輩! いつからそこにいたんですか?

き~ん~のさんっ! 社外秘の情報を外部に洩らそうとしているわね?

す、すいません! 身内だったら大丈夫かなと…。

写真を送った相手がどう使うか、考えたことある? ひょっとしたら、SNSに載せる可能性だってあるわよ。

まさか! 単純に、新しい商品を見たいだけだと思いますけど…。

今は、そういうことも十分ありえる時代なのよ。実際に、本人が発信していないにもかかわらず、周りの人間がSNSに投稿したことによる情報漏えいも相次いでいるわ。他人が自分の言動を面白おかしくSNSに書いてしまう可能性だってあるのよ。姪御さんが、「友達に見せたい」と思って、SNSに載せることも考えられるわ。

そうか…。自分で書き込みさえしなきゃ安全だと思っていたけど、そうとは限らないんですね。

そうよ。たとえば、飲み会で会社の批判をしたら、それを聞いた友人がイタズラ心でSNSに「○○会社の社員は、今日もブラックの実態を暴露」って書き込みをして、その書き込みが、会社に風評被害をもたらすということもありえるのよ。

自分がやらなくても、他人の書き込みに巻き込まれるかもしれないなんて…。他人の投稿のせいで自分が責任を問われることになったら、納得できません!

その気持ちもわかるわ。でも、本当に自分の行いに落ち度はないかしら? たとえば、今回の件では、筋野さんが姪御さんに、会社の秘密を洩らそうとしなければこのような心配もないはずよね。

確かにそうですね…。自分で墓穴を掘るところだったってことですね。

「ここだけの話」と考えて、会社の秘密や中傷を軽々しく口にするなどの不適切な言動をすると、知らないうちにインターネット上などで発信され、社会から非難を浴びる可能性もあるのよ。

軽々しい言動を慎むってことですね。

それに、その書き込みで社名などが明かされていなくても、書き込んだ人のプロフィールや、過去の書き込み内容・交友関係などによって、書き込みの対象となっている会社名が推測される可能性もあるのよ。そうしたら、自分の発言が、家族や会社にまでに悪影響を与えてしまうおそれもあるわ。

でも、正しい行動を心掛けていても、イタズラで書き込まれたらどうしようもないじゃないですか。

そんなにネガティブにならないで。ソーシャルメディアは新しいコミュニケーションスタイルだから、試行錯誤は避けられないものなの。いま、多くの企業が、ソーシャルメディアを利用する際に注意すべき点を入社研修で教えたり、禁止事項を社内規程で定める取組みを進めているわ。わたしたち個人も、周囲の人々に注意を呼びかけたり、危険な行動を止めたりする努力をしましょう。

確かにこわがってばかりいてもしかたがないですよね。いますぐ友人に呼びかけよう! もうトラブルは起こさせないぞ!

いい意気込みね。でも、その前に、まずは撮った写真をスマホから削除してね。

はいっ! わかりました~!

SNSトラブルの回避ポイント
◆利用するSNSの公開範囲とスマートフォンの位置情報サービス設定をきちんと確認する
◆半永久的にインターネット上に出されても問題ない内容かどうか自分に問いかける
◆投稿してよいか迷ったときは投稿しない
◆同僚や友人、家族など周囲にも、危険な書き込みをしないように呼びかける
◆倫理的・社会的に不適切な言動はしない

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