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2014/05/13号

~こんなとき、声をかけるべき?~の巻

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いつも明るい筋野さんですが、最近は口数が少なく、元気がなさそうです…。

この前、筋野さんを飲みに誘ったら、めずらしく断られたんです。最近、みんなの会話にも加わってこないし…。

この間、よっしーも同じようなことを言っていたわ。何か悩みでもあるのかしら。たなやん、話を聞いてあげたらどう?

本人は何も言っていないのに、こちらからは聞きづらいんですよね~。

そういうときこそ、声をかけてみるべきね。

あっ、えり先輩!!

やっぱり、声をかけてみたほうがいいんですか?

そうよ。普段と明らかに様子が違うと感じたら、まずは声をかけてみることが大事よ。

筋野さん、普段は何でも打ち明けてくれるから、何も言わないってことは、聞かれたくないじゃないかと思って…。

人には話したくない事情があるのかもしれないけど、ストレスで参ってしまって、話す気力すらない可能性もあるわ。そういう場合は、一人で悩みを抱えこまないように、周りの人が話す機会を作ってあげることが大切よ。

確かに、コミュニケーションの良好な職場はストレスも少ないって聞きますし、様子がおかしいことに気付いているのに何もしないままでいるのはよくないですよね。

でも、いろいろ質問して、かえって嫌な思いをさせてしまわないか心配です。声をかけるときに気を付けなければいけないことってありますか?

いい質問ね。大事なのは話を「聴く」姿勢なのよ。

「聴く」姿勢ですか?

こちらが聞きたいことを質問したりアドバイスをしたりするのではなくて、相手の話したいように話してもらって、気持ちをちゃんと聴いてあげることね。それと、プライバシーを守るために、他人に話を聞かれないように個室などで話すべきよ。ただし、こういう場合、飲みに誘いがちだけど、相手の状況によっては、お酒の席はおすすめしないわ。

どんな状況の場合ですか?

わかりやすくいうとメンタルヘルス不調の徴候が明らかな場合よ。たとえば、眠れない、食欲がない、飲酒・喫煙量が増加しているときなどは、ちゃんと話を聴くためにもお酒は避けたほうがいいと思うわ。

そういう深刻な場合、話すだけでは解決できないかもしれないですよね。どうしたらいいでしょう?

そういう場合は、一人で解決しようと思ってはいけないわ。過労やハラスメントによるストレスだったら、職場環境を改善しないと根本的には解決できないし、相手の状況によっては専門家の力が必要な場合もあるわ。周りの私たちがすべきなのは、まずは率直に心配している気持ちを伝えて、上司や社内の産業医、保健師などへの相談を促すことよ。

なるほど! 僕でも役に立てそうな気がしてきました! 少し勉強してみようかな。

職場のメンタルヘルスに関する情報は、たくさん発信されているわ。厚生労働省などの無料サイトで勉強してみるといいわよ。

筋野さんの状況も、まだ深刻とは限らないから、あまり深刻にかまえずに、まずは声をかけてみましょうか。

そうですね! …あれ? 筋野さん?

たなやん、ここにいたのか。今夜飲みに行こうぜ!

え?!

この間断って悪かったな、歯が痛くて何にも食べれなくて、まいってたんだ。昨日やっと治療してきたから、復活、復活!

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◆メンタルヘルスの相談機関
・メンタルヘルス対策支援センター(各都道府県の産業保健推進センターに置かれている)
・地域産業保健センター

◆メンタルヘルス情報サイト
・こころの耳(厚生労働省)
http://kokoro.mhlw.go.jp/

・みんなのメンタルヘルス(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/kokoro/disease/index.html

・労働者健康福祉機構
http://www.rofuku.go.jp/

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