契約書や法律で使う用語は、日常で使う言葉よりも厳密に使い分けられていたり、ときに違う意味だったりします。「知らなかった!」は言い訳になりませんよ~。
よし、契約書案、できたっと!
どれどれ? 私がじきじきにチェックしてあげるわよ。むむむむ…。
何かありましたかっ?(汗)
契約書で使う用語は、日常で使う言葉よりも厳密な使い分けが必要なのよね…。
??
たとえば、この契約書の中に、「解約」ってあるけど、ここは「解除」としないといけないのよ。
え? それって、同じ意味じゃないんですか??
「解除」と「解約」、どちらも契約を終了するときに使われるけど、微妙に意味が違うの。「解除」は、契約した時点までさかのぼって効力を失わせるけど、「解約」は、解約したそのときから効力が失われるのよ。
そうだったんですかー。
他にも「及び」と「並びに」の使い分けって意識してる?
はて…?
通常、契約書などでは、「及び」は同じ種類やレベルのものを並べるときに使われるわ。たとえば、「きつね及びたぬき」などね。
じゃあ、「並びに」はどうなんですか?
「きつね及びたぬき並びにチューリップ」というように、種類の違うものや、別のレベルのものを並べるときに使われているわね。
そうなんですね~。
次は、「又は」と「若しくは」。同じ種類やレベルのものを選択するときは「又は」が使われるわ。たとえば、「きつね又はたぬき」となるわね。
じゃあ、いくつも並べるときは「きつね、たぬき又はねこ」ってことですか?
そのとおり! それから、種類の違うものや、別のレベルのものを選択するときは、一番大きいグループに「又は」、それ以下のものに「若しくは」を使うの。たとえば、「きつね若しくはたぬき又はチューリップ」となるわ。
ぐわ~、ややこし~!!
意外と間違えやすいものに、「以上」と「超える」もありますよね。たとえば、「5人以上」なら、5人を含むけど、「5人を超える」は、6人からになるんですよね。
そうね。それから、「直ちに」「速やかに」「遅滞なく」は、どれも「すぐに」という意味だけど、順番に即時性が弱まるの。「直ちに」は、「何があってもすぐに!」という感じ。「遅滞なく」は、合理的な理由などがあれば、遅れても許容されるといわれているわ。
なるほどー。
ところで、話は変わるけど、たなやん、昨日締切のコンプラ研修の課題、提出した?
あ、はい、遅滞なくやるつもりです!
直ちにやってね!!!!
<まとめ>
契約書や法律で使う言葉は、日常で使う場合よりも厳密に使い分けされている場合があるので、要注意!
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