第一法規株式会社|教育研修一覧

2015/01/14号

~「うるさーい!」と言われてしまう前に…~の巻

line

足尾さんとたなやんがお昼休みに何やら話しています。

最近、家の近くで工事をしていて、近所の人が騒音が気になるって話してたよ。

足尾さんは気にならないんですか?

気にはなるけど仕方ないよね。しばらくの辛抱だし。

騒音については、いろいろ規制があるのよ。

あっ、えり先輩。工場などで規制があるのは知ってますけど、一時的な工事にも規制があるんですか?

そうよ。建設、解体、回収工事をする場合、工事に伴って発生する騒音や振動等によって、人の健康や生活環境に障害を及ぼさないようにしなければいけないのよ。

騒音が原因で、難聴になることもあるんだそうですよ。

作業の内容によって、出してもいい音の大きさが具体的に決められているのよ。

地域によって、作業していい時間も決められているんですよね。

ええ。一日の作業時間も10時間以内などと決められているわ。同一の場所で連続して作業してよい日数や、作業してはいけない曜日なども決められているのよ。

ところで、工事や工場の音以外にも、いろいろな騒音がありますよね?

そうね。拡声器や音響機器からの騒音なども、規制の対象になっているわ。飲食店やガソリンスタンドなど、深夜に出してよい音の大きさが決められている施設もあるのよ。

へえ~。

基準の範囲内であれば、問題なしってことですか?

それはちょっと違うわね。環境問題に対する住民の意識も高まっているし、基準を満たしていれば、まったく問題ないとは言い切れないわ。

これまでは許されていたような騒音でも、クレームが入るなど、問題になるケースが増えているって聞いたことがあります。

これまで許されていたってことは、企業に非はない気がするんですけど…。

重要なのは、工事や工場、施設など、事業活動をしていく中で、騒音の問題とどう向き合い、どう解決していくかね。

どう考えればいいんでしょう?

「規制基準さえクリアしていればいい。騒音や振動が出るのは仕方がないことで、住民が我慢すべき」という今の時代には合わない意識を見直して、可能な限り騒音などを出さないために、どうすればよいかを考えて、率先して対策を充実させ、住民の理解を得ていくべきでしょうね。

規制基準をクリアするのは、最低条件という時代なんですね。

クレームがあった場合は、まず基準を満たしているかを調べて、満たしているならそのことを住民にきちんと説明すべきね。

測定の際に住民の立ち会いなどを認めて数値への信頼を確保するといいですよね。

それから、被害の状況などをきちんと把握して、基準以上の環境対策が可能であれば、それを誠実に示しながら交渉をするべきね。

何事も、“誠意をもって”対応すべきってことですね。

ところで足尾さん、いつもドタバタと足音がうるさいんだけど、どうにかならない?

えっ!? そういうえりさんだって、いつもヒールをカツカツさせてるじゃないですか~!

なんですってえ~??!!(怒)※▲×☆◆…!!!!

あ、あの~、誠実に…。

そ、そうね。足尾さん、れ、冷静に話し合いましょう(滝のような汗)。

<騒音・振動などについて>
◆ 公的な規制基準をクリアするのは、最低条件である
◆ その上で、可能な限り低減するという姿勢が必要である
◆ もし問題が起きた場合は、被害の状況を把握した上で、基準以上の対策が可能な場合は実施することが望ましい

<< 一覧へ戻る

line