第一法規株式会社|教育研修一覧

2015/07/28号

~妊娠・出産を理由に…~の巻

line

よっしー、みち、えりさんの三人が、お昼休みに何やら話しています。

妊娠している友人が、産休などの手続きについて相談しようと思って上司に報告したら、「いつ退職するの?」って言われたらしくて。

ええ?! それはちょっとひどいわね。

これまで産休を取得した先輩がいない職場らしくて。「辞めるつもりはありません」ってはっきり言ったら、上司からは「戻ってきても、やってもらう仕事はないから」って言われたみたいです。

それは問題ね。

それって、「マタニティ・ハラスメント」ですよね?

そうね。職場において、妊娠・出産・育休(育児休業)などを理由に、退職を強要したり、解雇・雇止めをしたり、職場で精神的・肉体的な嫌がらせをすることは、「マタニティ・ハラスメント(マタハラ)」とされているわ。お友達の上司の行為は、これにあたるわね。

法律でも何か規定があるんですか?

ええ。男女雇用機会均等法や、育児・介護休業法で、妊娠・出産・育休などを理由とした退職の強要や、解雇・雇止め、降格・減給、不利益な配置変更、仕事を与えないなどの不利益な取扱いをすることは、禁止されているのよ。

きちんと法律で禁止されているんですね。

友達の同僚は、どんな反応なの?

それが、忙しい職場だからか、「こっちは忙しいのに休めていいね」とか、「ただでさえ忙しいのに、あなたが休んでいる間の仕事をどうするつもり?」って言われたりしているみたいで。

それはつらいわね。

その同僚の行為も、マタハラにあたるわね。妊娠中や育休明けなどに上司や同僚から心ない言葉を言われたりすることも、マタハラに該当するのよ。

友達には、どうアドバイスしたらいいでしょう?

そうね。上司の理解がないようであれば、会社の人事部に相談してみてはどうかしら?

そうですよね! 友達が言うには、きちんと制度はある会社みたいなので、「人事部から上司に話をしてもらったら?」って伝えてみます。

そうしてみて。ギリギリの人数でまわしている職場だと、制度があることはわかっていても、妊娠した部下や同僚への配慮より、人数が減ることへの不安のほうが先に立ってしまうのかもしれないわね。

職場で前例がない場合も、そうなりがちかもしれませんね。

会社には、従業員が安心して子どもを産み育てられる環境づくりに配慮することが求められているのよ。制度だけでなく、働く私たちの意識も変えていく必要があるわね。

そうですよね。うちの会社でも、研修をしてみましょうか?

いいですね! 私、資料作ります!!

◆妊娠・出産を理由とした、退職の強要や、解雇、雇止め、職場での精神的・肉体的な嫌がらせのことを、「マタニティ・ハラスメント(マタハラ)」という
◆妊娠・出産・育休などを理由として不利益な取扱いをすることは法律で禁止されている

<< 一覧へ戻る

line