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2015/11/10号

~広告で他社の商品と比較していい?~の巻

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新商品「こんぷらクリーム」の宣伝活動について、たなやんと足尾さんが話しています。

自社の商品と他社の競合商品を比較するのはどうでしょう?

いいね~! この前、開発部が各社の商品を分析したら、うちの新商品の数値、かなり良かったみたいだし!

その結果、使えそうですね。

他社よりも優れている項目をピックアップして広告に載せたら、いい宣伝になるんじゃないかな?

それは、ちょっと問題よ。

あっ、えりさん!!

他社の商品と比較するような広告は問題になるんですか?

競合商品と比較する、いわゆる「比較広告」そのものは禁止されているわけではないのよ。

じゃあ、どういうものはダメなんですか?

自社の商品の優良性をアピールするために、自社に都合のいいデータだけを引用している場合はダメなのよ。自社の商品が、競合他社のものよりも著しく優良であると消費者に誤認させる比較広告は、「不当表示」に該当するわ。

「不当表示」にならないためには、どうすればいいんですか?

まず、比較広告で主張する内容がすべて客観的に実証されている必要があるわ。実証機関が広告主とは関係のない第三者である場合は、その調査は客観的なものと考えられるわね。

第三者ですか?

そうよ。国公立の試験研究機関などの公的機関や、中立的な立場で調査・研究を行う民間の機関を利用するのが望ましいわね。

比較方法にも決まりがあるんですか?

もちろんよ。比較方法は公正でなければならないわ。例えば、自社のプレミアムバージョンと他社のスタンダートバージョンを比較して、あたかも同等のものとして比較結果を表示すると、不当表示となるおそれがあるわ。

じゃあ、同等のものであれば、どんなことでも比較していいんですか?

商品全体の機能や効能等に影響が少ないにもかかわらず、商品全体の機能や効能等が優れているかのように強調するのはNGよ。

自社の商品の短所はいわなくてもいいんですか?

いい質問ね! 商品の優れたところと関連する弱点がある場合は、全体の機能などを消費者に誤認させて、不当表示に該当するおそれがあるから、表示する必要があるわ。それに、他社の欠点ばかり指摘して、自社の商品の短所を何も表示しないと、消費者に不信感を抱かせて、かえってイメージダウンにつながるかもしれないわ。

気を付けることがたくさんあるんですね。やっぱり別の案にしようかな…。

比較広告についての考え方は、公正取引委員会が公表している比較広告ガイドラインに明示されているわ。せっかくだから、勉強してみたら?

うっ…、また別の機会にさせていただきます~(走り去る)。


「比較広告に関する景品表示法上の考え方」(比較広告ガイドライン)のポイント
◆比較広告で主張する内容が客観的に実証されていること
◆実証されている数値や事実を正確かつ適正に引用すること
◆比較の方法が公正であること

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