机の上やキャビネットの中など、会社には、外部にもれてはいけない書類がいっぱいです。きちんと管理しないと…?
ちょっと、足尾さん! 大事な書類が机の上に出しっぱなしですよ。
ああ、これですか? まだ使うかもしれないから、わざと出したままにしているんです。
これ、他社との共同プロジェクトの資料ですよね? 極秘扱いで、必ず所定の棚に戻すことになっているはずですよ。 すぐに戻してください!
そんなカリカリしなくても、データじゃないんだから、書類を社外に持ち出さない限り、流出なんてしないですよ。
本当にそうかしら?
あっ、えり先輩!!
えり先輩! 足尾さんが書類をすぐ出しっぱなしにするから、困っているんです。
それは問題ね。情報流出の危険があるわ。
でも、情報流出って、たいていはデータの流出ですよね? 例えば、「パソコンのウイルス感染」「ログインパスワードを盗まれた」「N万人分の顧客情報が入ったUSBを紛失!」的な感じじゃないですか?
確かにニュースで見るのは、そういうものが多いですけど…。
でしょ? だから、僕、データの扱いには、すご~く気をつけているんです。
確かに、「情報漏えい」という言葉からはデータの流出をイメージしがちだけど、実は、紙に記載された情報のほうが漏えいするリスクは高いともいわれているのよ。
へ? そうなんですか?
たとえば、社内の会議のためとか、取引先との打ち合わせなど、紙の資料を準備する機会って、多いでしょう?
そうですね。他社との共同プロジェクト会議でも、いつも紙の資料を準備しています。
紙の資料は、データと違って、パスワードをかけることもできないわよね?
そうですよね。それに、USBなどと違って、置きっぱなしにしていたら、通りかかった人に、すぐに内容を見られてしまいますよね。
そう言われると、確かに紙のほうがデータよりも盗み見しやすいかもしれないですね。
その上、写真を撮れば、データと同じように簡単に内容を流出させることができるわ。
うっ…。それは思いつかなかったです。
ちなみに、気を付けなければならないのは、管理方法だけではないのよ。紙の資料は、データのように削除したらなくなるわけではないから、他の紙ゴミと一緒に捨ててしまうと、危険なのよ。
確かに、重要書類をシュレッダーにかけずに捨ててしまったこと、あるかも…。
あらためて考えると、私も廃棄については自信がないです…。足尾さん、部内に保管している紙の資料を整理しながら社内の管理ルールを一緒に確認しませんか?
よ~し! すぐに取りかかりましょう!
その前に、まずは机の上の極秘書類を棚に戻してね!
はいっ!!
◆情報漏えい=データ流出のみではなく、紙の資料からの情報漏えいリスクも高い
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