職場でも、私生活でも、誰もが自分らしく生きていく権利をもっています。
「LGBT」、あなたは知っていますか?
LGBTへの差別もセクハラに当たるって、「セクハラ指針」に明記されることになったんですよね。
そうですね。施行されるのは2017年の1月ですよね。
ん? LGBTって、なんですか?
L(レズビアン:女性同性愛者)、G(ゲイ:男性同性愛者)、B(バイセクシュアル:両性愛者)、T(トランス・ジェンダー:体の性と心の性が一致しない者)の頭文字をとった言葉ですよ。
最近よくニュースとかで見るんですけど、具体的にはどんなことですか?
では、私に詳しく説明させて。
はい! よろしくお願いします。
最近は、LGBTが今挙げた人々のことを指すことは、ある程度知られるようになったけど、LGBTの性的指向に関しては、足尾さんのようによく知らない人もいるし、差別や偏見をもつ人もまだ多くいる状態なのよ。
そうですね。言葉は知っているけど、あまり深く考えたことはないかも…。
そうよね。だから、LGBTの当事者は、家族や友人に理解してもらえなかったり、誰にも相談できなかったりして、人知れず悩みを抱えてしまう場合も多いのよ。その状況を改善しようと、国や自治体などが取り組みを進めているの。
企業でも、LGBTの従業員への対応の取り組みが始まっていますよね。
ええ。それに加えて、今回の「セクハラ指針」の改正案では、セクハラの対象となる差別的な言動について、「被害者の性的指向または性的自認にかかわらず対象となる」と明記されることになったのよ。これで、企業での取り組みも、より進むことになると思うわ。
えーっと、「セクハラ指針」って、どんな内容でしたっけ?
説明するわね。セクハラ指針では、会社に対して、研修を通じてセクハラの防止に努めたり、セクハラを行った場合は処分の対象になることを就業規則で定めたり、実際にセクハラを行った従業員に対して配置転換などの処分を行うことを義務づけているのよ。
なるほど。じゃあ、これからは、LGBTの従業員に対する差別行為はセクハラになることを、社内でも明確にする必要があるってことですね。
そうね。それに、LGBTに対して、権利の尊重や差別の禁止などの基本方針を定める会社が増えているのよ。
同性のパートナーにも福利厚生制度を適用する会社もあるんですよね。
そうね。LGBTへの理解を進めるための社員研修を行う会社も増えているのよ。就職の際に不利にならないように、配慮する会社も出てきているわ。
へえ~。そうなんですね。
でも、まだまだ課題も多いのよ。たとえば、更衣室やトイレはどちらを使うのかなどね。これは、本人の希望も聞きつつ、周りの従業員も含めて、各職場でどう対応するのか決めていく必要があるわ。LGBTといっても、人によってニーズは違うから、職場でどのようにニーズに応えることができるのか、検討していくことになるでしょうね。
差別や偏見のない、多様性を認める職場でありたいですよね。
そうですね。私も多様性の観点から足尾さんのことを理解しないといけませんね。
よろしくお願いします~。
◆ LGBTとは、L(レズビアン:女性同性愛者)、G(ゲイ:男性同性愛者)、B(バイセクシュアル:両性愛者)、T(トランス・ジェンダー:体の性と心の性が一致しない者)の頭文字をとった言葉である
◆ 2017年1月施行の改正「セクハラ指針」において、LGBTへの差別もセクハラに当たることが明文化された
◆ LGBTに対して理解を深めるための取り組みが、企業でも進められている
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