第一法規株式会社|教育研修一覧

2017/02/14号

~治療と仕事の両立のために~の巻

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病気になったとき、治療と仕事の両立のために、できることはあるのでしょうか?

資材部のA課長、職場復帰したんだって?

そうそう、がんだったって聞いたわ。「仕事をしながら治療を続ける」って話だけど、大丈夫なんでしょうか…。

みんなで「大丈夫にする」ことが大切なのよ。

あ、えり先輩!

2人とも、そんな暗い顔しないで! 最近は医療技術が進歩して、がんも治る病気になってきたのよ。それに、がんに限らず、脳・心臓疾患や精神疾患などの病気を抱えた従業員に対して、企業は治療と仕事の両立を支援する環境を整えて、就業を継続したり、休職後の復職をサポートしたりする対応が必要になってきているの。

そうなんですね! それを聞いて安心しました。

じゃあ、具体的には何をすればいいんでしょう?

厚生労働省の調査では、病気を抱える従業員が感じる、治療と仕事の両立に必要な支援として、「柔軟な勤務形態」、「休暇・休業制度等」、「制度を利用しやすい職場風土の醸成」、「情報提供」、「早期発見・重症化予防」などを挙げているわ。

なるほど。確かに、通院・治療が必要となると、勤務が不規則にならざるを得ないから、そうした制度の整備は必要ですね。

それに、たとえ制度があっても、利用しやすい職場環境がある、というところが肝心ですよね。

そうそう、友人の会社では、せっかく復帰したのに、職場の理解が得られなくて、結局辞めてしまった人がいたって聞いたことあります。

病気の症状が、特に外見からはわからないものだったりすると、周囲の人もなかなか配慮ができなかったりするのかもね。

そうか~。ぼくたちも、職場の同僚に治療と仕事を両立している人がいたら、いろいろと配慮をするよう気を付けないといけないんだな。

そうしたこともあって、企業には「患者との認識の共有」、「患者と主治医と産業保健スタッフ(産業医・保健師等)が連携した病状、配慮事項の共有」、「地域産業保健センターと連携した相談支援、人材育成の体制整備」、「従業員に対する研修の実施」などを行うことが、求められているの。

うちの会社にも、仕事と治療の両立支援の制度があるのかどうか、わかってない人って多いと思うんです。ちゃんと調べて周知したほうがいいかもしれませんね。

じゃあ、次の社内研修のテーマにしたらどうでしょう? 実はA課長には、新人時代、いろいろ面倒を見ていただいたんですよ。早くよくなってほしいなあ。

恩返しのいい機会になるかもしれないわね。じゃあ、まずは、どんな研修にするか、資料をまとめてみてね。

はい!


【治療と職業生活の両立支援に必要な企業(人事労務担当者)の対応】
◆従業員の疾患の早期発見・早期治療、重症化防止
◆理解のある職場風土の形成
◆時間単位の有給休暇制度や短時間勤務制度
◆柔軟な雇用管理

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