商品・サービスの品質や価格についての不当な表示を防止するために、様々な規制が導入されています。違反した場合、どうなってしまうのでしょうか?
(スマホでニュースを見て)あっ、また、ニュースになってる…。
どうかしたんですか?
いや、カルテルで課徴金の納付を命じられたってニュース、よく見るなと思って。
カルテルって、厳しく規制されているのに、なくならないですよね。
そうだよね。
チラシなどの表示の規制に違反した場合も、課徴金が課されるようになったんですよね。
え? そうなの?
あら、足尾さん、説明が必要なようね。
あっ、えりさん!
2016年の4月に改正景品表示法が施行されて、チラシなどで消費者を誤認させる不当な表示をしたら、課徴金が課されることになったのよ。
そうなんですね。
確か、4億円以上の課徴金を課された例がありましたよね?
え? 4億円!? そんなになっちゃうの…!
そうね。対象の商品・サービスの売上額の3%の課徴金が課されるから、高額になる場合もあるわ。ちなみに、対象になる売上期間は最長3年間よ。
どういう場合に課徴金納付の対象になるんですか?
商品・サービスの品質や価格について、事実と異なって、実際のものや他社のものよりも、著しく優良または有利であると消費者に誤認させるような表示(優良誤認表示・有利誤認表示)をした場合よ。
課徴金納付命令以外には、どんな措置がとられるんですか?
消費者庁から、不当表示により消費者に与えた誤認の排除、再発防止策の実施、今後同様の違反をしないことなどを命じられるわ。誤認を排除するためには、新聞などで、不当表示を行っていたことを広く周知する必要があるのよ。
なるほど~。
独占禁止法では、課徴金を減免する制度がありますけど、景品表示法はどうなんですか?
同様の制度があるわ。違反行為を自主申告した事業者に対して、課徴金の2分の1の額が減額されるのよ。
そうなんですね。
それと、消費者が受けた被害の回復を促進するために、消費者に自主返金をした場合は、課徴金を免除したり、減額したりする制度もあるのよ。
確かに、誤認して購入してしまった消費者の被害は回復されるべきですよね!
僕も被害を回復してもらいたいな~。
え? 足尾さん、何か誤認したんですか?
いや、この前、「すっごい旨い!」ってネットで評判のラーメン屋に行ったら、あれ?って感じだったんです。がっかりしましたよ~。
それは個人の好みの問題ね(笑)。
【不当表示への課徴金】
◆課徴金は、違反行為を防止するために行政庁が違反事業者等に対して課す金銭的不利益である
◆景品表示法でも、「優良誤認表示」と「有利誤認表示」に対して、課徴金制度が導入されている
◆違反行為を自主申告したり、消費者に対して自主返金した事業者に対して、課徴金を減額・免除する制度も導入されている
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