不祥事が、次々発覚していますね。今一度、内部通報制度を見直してみましょう。
最近、企業の不祥事の報道が多いですね。
なんだか、一気に出てきたような気がしますね。
どうしてこんなことになってしまったんでしょう?
難しい問題ね。
あっ、えりさん!
えりさん。最近、企業の不祥事が続いていますよね。
そうね。今こそ、「内部通報制度」を見直すときだと思うわ。
今こそ、ですか?
ええ。内部通報制度は、社員からの通報を受け付けて、通報に対して調査をすることで、法令違反や不祥事の隠ぺい等を未然に防止することを目的として設置されている制度だからよ。
「内部通報窓口」や「ヘルプライン」と呼ばれていますよね。
そうね。実は、企業の不祥事は、内部通報がきっかけで明らかになることが多いのよ。最近起きている不祥事は、品質偽装が多いようだけれど、会社の拡大戦略についていけない現場の苦肉の策が原因ということもあるようね。経営と現場のかい離は、とても悲しいことだと思うわ…。
つらいですね…。
僕なら、「無理です!」って、すぐ上の人に言っちゃうけどな~。
足尾さんならそうかもしれないけど、現場からの声って、上層部にはなかなか伝わりにくいものなのよ。内部通報制度が機能するためには、組織内の信頼関係が不可欠なの。
「通報すれば、経営陣が事態を改善してくれる」って思うことができるかどうか、ってことですか?
ええ。経営陣、特にトップの強い意志表示が必要ね。それから、不祥事の例で言うと、長年、隠ぺい行為が部署内で引き継がれていて、先人達が始めた不正行為を報告する勇気もなく、改善する方法も見つからず、自分達も不正をし続けてしまう…、という悪循環に陥るケースもあるみたいね。
そういうときは、だれかが声をあげないといけないですよね!
そうね。大切なのは、社員が声をあげることができる機会や制度づくりだと思うわ。きちんと機会が設けられていれば、「こういう問題があることを会社にも知ってもらいたい」「そう思っているのは、自分だけではないはずだ」と考える社員もいるはずよ。
そうですね。そのためには、やっぱり、経営陣が本気を示すことが大切ですよね!
ええ。それに、公益通報者保護法では、会社は、内部通報した社員に、公益のために通報を行ったことを理由に、解雇や配置転換等の不利益な取扱いをしてはならないと定められているから、安心して通報するように、社員に周知することも必要よね。
僕も、うちの会社の内部通報窓口ヘルプラインを使ってみたいな~。
足尾さん…、使ってみたいから使うってものではないと思います…(ガックリ)。
そ、そうですよね~。
やれやれ。足尾さんたちの部署では何も起こらなそうで、よかったわ(苦笑)。
【内部通報制度】
◆企業において、社員からの通報を受け付けて、通報に対して調査をすることで、法令違反や不祥事の隠ぺい等を未然に防止することを目的として設置されている制度
【公益通報者保護法】
◆内部通報をした社員が公益のために通報を行った場合、通報したことを理由としてなされた解雇は無効であり、通報したことを理由として会社は配置転換等の不利益な取扱いをしてはならない、と定められている
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