第一法規株式会社|教育研修一覧

2018/09/11号

~こっそり、自分のお小遣いに!?~の巻

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ときどき報道される、「社員が会社のお金を着服した」というニュース。横領が発覚した場合、どんな事態になってしまうのか、確認してみましょう。

大丈夫かな…(ぶつぶつ)

筋野さん、どうかしたんですか? 

それがさぁ、S社の経理部に勤めている友達から、「同僚が横領しているかもしれない」って相談されたんだ。どうしたもんかな~と思って。

えっ! 大変じゃないですか。会社に報告してないんですか?

うん…。大ごとにしたくないみたいなんだよな。「もしかしたら勘違いかもしれないし…」って悩んでて。

そんなときは、内部通報制度を利用するといいわよ。

あっ! えりさん!

内部通報制度か。その手があったな! 

そのお友達の勘違いだったら、それが一番だけどね。まずは事実関係を把握してから連絡するといいと思うわ。

横領って、ときどきニュースになりますよね。

そうね、なかなかなくならないわよね。「やってはいけないこと」という認識はあっても、横領が発覚した場合にどんな事態になるのか、具体的にイメージできていないことも原因の一つかもしれないわね。

やっぱり相当やばいことになるんですよね?

そうね(苦笑)。筋野さんのために、おさらいしましょうか。「業務上横領」とは、「業務上自己の占有する他人の物を横領する」、つまり、会社の備品を私的に利用したり、会社のお金を着服したりすることをいうの。10年以下の懲役になる可能性もあるわ。罰金刑がないから、執行猶予がつかなければ、初犯でも刑務所に入る可能性があるのよ。

えっ! そんなに厳しいんですね。

そうよ。それから、横領が発覚した場合は、当然のことだけれど、横領した金額をすべて返さなければならないわ。横領した時から一定の時間が経過している場合には、一般的に、遅延損害金として、年利5%を上乗せした金額を支払わなければならない、とされているのよ。

本当に、「つい魔がさして…」なんて言っている場合じゃないですね!

それに、横領を理由として懲戒解雇される可能性もあるわ。就業規則で「刑罰に触れる行為をしたときには、懲戒処分の対象にする」と定めている会社も多いから、厳しい処分が下されるんじゃないかしら。

そりゃ、そうだよな。

多くの会社で、伝票の二重チェックなどのルールがあるわよね。これは、複数の目で確認することで、不正を事前に防止するとともに、悪意のないミスも早期に発見・是正することを目的としているの。筋野さんのお友達も、もしかするとチェックの過程で不自然な点に気づいたのかもしれないわね。

だから、いろいろとルールがあるんですね。いやー、今回も勉強になりました!

そういえば、「筋野さんの精算書類が、字が汚くて読めない」って、経理部の同期がぼやいていたわよ。チェックしやすいような書類を作成することも、心がけてね。

うわっ、すみません!! さて、コーヒーでも飲もうかな…(そそくさと席を立つ)。


【業務上横領をしないためのポイント】
◆家族や友人に話せないことはしない
◆公私混同をしない
◆伝票の二重チェックなどの社内ルールを守る

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