個人の働き方の多様化に伴い、フリーランスで働く人が増えています。会社でフリーランスに業務を発注する場合に、気を付けておくべき点をおさらいしましょう。
販促品のイラストを、フリーランスのイラストレーターさんにお願いしようと思うんだ。
足尾さんの企画したティッシュケースですね。初めて取引するのであれば、業務委託契約を締結しないといけませんね。
ギョウムイタク…? えっと、いつもの業者にお願いするのと、なにか違うんでしたっけ?
いつもお願いしている業者さんは、業務委託契約を締結済みだから、スムーズに社内手続きができるんですよ。新しい取引先であれば、いろいろと社内手続きが必要ですね。
えっ、め、めんどくさそうだな~(汗)。
一度、きちんと説明してもらった方がよさそうですね。えりさーん!!
呼んだ?
えりさん。足尾さんが、初めてお付き合いするフリーランスのイラストレーターさんに発注したいそうなんです。
新しく取引をする方なのね。じゃあ、まず、「フリーランス」について説明するわね。「フリーランス」とは、「特定の企業や団体、組織に専従しない独立した形態で、自身の専門知識やスキルを提供して対価を得る人」とされているわ。
個人の働き方を表わした言葉なんですね。
ええ。フリーランスと言っても、個人で業務を直接受注して働く個人事業主や、法人を設立する人など様々なのよ。
そういえば、イラストレーターさんは、個人事業主って言ってました。
そう。最近は、フリーランスで働く人が増えているけれど、発注時に発注書が交付されなかったり、同業社間で発注金額を固定されたりするようなトラブルも増えているのよ。フリーランスで働く人は、労働法で守られていないし、企業に比べて立場が弱いから、きちんと下請法を守って対応しなければいけないわ。
そうですね! 当社はきちんと対応しましょう!
まず、新しい取引先であれば、当社の場合、業務委託契約と秘密保持契約を締結する必要があるわ。雛形があるから、それを使ってね。次に、発注するイラストの仕様を決めること。
サイズや色、金額、納品の形態などですね。後でトラブルにならないよう、先方ときちんと合意しないといけませんね。
そうね。実は、「発注側が発注する業務の概要をつかめておらず、あやふやな発注内容になってしまい、後で何度も修正が発生した」などといった、発注側のスキル不足によるトラブルも多いのよ。発注側として、どのような業務を委託するのか、明確にしておく必要があるわ。当社には、仕様変更の規定や、検収期間、保証期間等の項目が入った雛形があるから、それを使うといいわ。
わかりました!
先方に見積書をもらって、社内手続きを終えたら、必ず発注書を送ってね。そして、スケジュール通りに成果物が納品されたら、先方から請求書をもらって、支払いの手続きをしてね。
販促品の制作を、いつもの会社にお願いする流れと一緒なんですね。安心しました!
よかったわ。スキルの高い方とは長いお付き合いにしたいものね。相手にもわかりやすい、誠実なお付き合いを心がけてね。
はい!
【フリーランスへの発注のポイント】
◆「フリーランス」とは、「特定の企業や団体、組織に専従しない独立した形態で、自身の専門知識やスキルを提供して対価を得る人」※を指す
◆フリーランスには、個人で業務を直接受注して働く個人事業主や、法人を設立する人などが含まれる
◆フリーランスは、企業に比べて立場が弱いため、発注側は下請法を順守して対応する必要がある
※一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会より
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