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2018/11/13号

~コンプライアンスってそういうことだったの!?~の巻

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コンプライアンスという言葉は、だいぶ浸透してきましたね。ただ、「法令順守のことでしょ」というあっさりした理解で終わらせてしまっている人、あなたの周りにいませんか?

はー。社内のコンプライアンス推進、結構がんばってるつもりなんだけどな~。

あれ、みちが愚痴なんて珍しいね。

さっきの会議で、「法規制を守っているんだから、当社のコンプライアンスは十分だ」って、某役員が発言したみたいなの。経営陣からそんな言葉が出るなんて、私たちの活動もまだまだね。

え? でも「コンプライアンス」って「法令順守」ですよね?

あら、足尾さんもそんな認識なの!?

そうですよ! 足尾さんまでそんなこと言わないでくださいよ~!!

横文字を日本語に置き換えちゃダメなんですか。

そういう問題じゃないんだけど、確かに日本語に置き換えようとすると、バシッとはまる言葉がないのよね。

確かにコンプライアンスは狭い意味では「法令やルールなどを守ること」ですけど、最近はもっと広い意味で使われているんですよ。

たとえば、問題が起きて世間から批判されたときに、「法律で禁止されている行為じゃないのに、なんでそんなに騒ぐんだ」というのは、コンプライアンスに対する認識が足りない発言の典型ね。パワハラに関する法律がないからと言って、パワハラをしてよいものではないでしょう?

そうですね。じゃあ、広い意味のコンプライアンスってどういうことなんですか?

法令で規制されている・いないにかかわらず、ステークホルダーに悪い影響を与えたり、その期待を裏切るような行為はしない、ということね。

ちなみにステークホルダーとはいわゆる「利害関係者」のことで、企業の場合、株主、取引先、消費者、社会全体、そして私たち従業員も含まれるんですよ。

最近は、コンプライアンスという言葉が浸透してきたからか、社会から企業に寄せられる期待のレベルが上がっているように思うわ。逆に言うと、社会が企業を見る目が厳しくなっているということね。

確かに、パワハラとか、以前であれば問題にならなかったようなことが、今では大問題になっていたりします。

昔の意識のままで、パワハラは「法律で罰せられないから問題ない」、「ずっとこの指導方法でやってきたのだから問題ない」なんてことを、経営陣が公言してしまったら、公正さと倫理観に欠ける企業ということで評判が地に落ちてしまいますよね。

今の企業には、そうした社会の意識の変化を敏感にとらえて、その期待を裏切らないよう企業活動をしていくことが求められているのよ。そして、それを支えるのが私たち社員一人ひとりの行動なの。

その結果として、企業としての価値が高まるわけですね。

広い意味のコンプライアンスということが、わかってきたみたいね。

なんとなく、ですけど。それにしても、横文字でなく、日本語にならないものでしょうかね~。

それなら、ぜひ足尾さんが名訳を考えてみて。

えっ!…やっぱり、横文字のままでいいかもしれません!

まったくもう…(苦笑)


【コンプライアンスと企業】
◆コンプライアンスとは、法令等での規制の有無を問わず、ステークホルダーの期待と信頼にこたえること
◆ステークホルダーとは、企業の場合、株主、取引先、消費者、社会全体、従業員を指す
◆従業員一人ひとりがコンプライアンスを意識した行動をすることが、企業のイメージや価値の向上につながる

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