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2018/12/04号

~ダイバーシティと無意識のバイアス~の巻

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多くの企業で、ダイバーシティが推進されています。制度は整ってきましたが、そこで働く人々のマインドを変えることも必要なようです。

最近、うちの会社でも、女性管理職や外国人従業員が増えてきたね。

性別や国籍にかかわらず、優秀な人が活躍するのはいいことですよね。

でも、やっぱり女性は感情的になる人が多い気がするから、管理職には向いてないと思うんだよなぁ~。外国の人も、日本の常識を知らないことが多くて、習慣とかが違うから、一緒に仕事をすると色々と困ることが多い気がするし…。

足尾さん。その考えには、バイアスがかかっているわよ!

あっ、えりさん!

えりさん。でも、これが僕の正直な気持ちなんです。

正直なのは、足尾さんのいいところね。だけど、そういった「無意識のバイアス」が、多くの企業でダイバーシティ推進を阻害しているのよ。

「無意識のバイアス」ですか?

そうよ。最近、注目されている言葉なの。「自分で気づかずに持っている無意識の思い込み」のことで、「最近の新入社員は根性がない」「家事をするのは女性の方が向いている」「シニアはITに弱い」などの偏った考え方を指すの。

えっ、僕、そんなに偏見は持ってないと思いますけど…。

そうかしら? 無意識のバイアスは、誰もが持っているものなのよ。実は、この無意識のバイアスが、ダイバーシティ推進の阻害要因になっていると言われているの。

確かに、さっきの足尾さんの「女性は管理職には向いていない」っていう発言も、偏見ですよね。

ええ。誰でも「自分の考えが正しい」と思いがちよね。これは、自分を守るための脳の特性なの。だけど、いつも自分の判断が正しいとは限らないし、間違ってしまうことだってあるわ。さまざまな人とコミュニケーションを取って、円滑に仕事をしていくためには、この無意識のバイアスをできる限り少なくしていくことが大切なのよ。

グローバル化が進むこれからの時代に、とっても大切な考え方ですね。

うーん。そうか…。そう言われると、僕も自分の思い込みだけで判断していたかもしれないな…。

無意識のバイアスを完全になくすことは難しいわ。だけど、一人ひとりが「自分にも思い込みがあるかもしれない」という考えを持つことで、自分の偏見を発見したり、偏った判断をしないよう意識することはできるはずよ。

一人ひとりが意識することが大事ですね。

ええ。実は、多様性を尊重することで、集団内の対立が起きやすくなるなどのリスクがあると言われているの。だから、今後、リーダーには、さまざまな人の意見を取り入れて、それをまとめるマネジメント能力も求められるようになると思うわ。力の見せ所よね。

リーダーって、大変だな~。

そういえば、足尾さんも、新規プロジェクトのリーダーでしたよね? 打ち合わせの日程が送られてきてないですけど…?

そ、そういえば、そんなこともあったような…。(と、じりじり後ずさる)

足尾さんは、まず、スケジュール調整能力から、ね(苦笑)


【無意識のバイアスとは】
◆自分で気づかずに持っている無意識の思い込み
◆ダイバーシティ推進の阻害要因の一つと言われている
◆「自分にも思い込みがあるかもしれない」と意識することで、自分の偏見を発見したり、偏った判断をしないよう意識することができる

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