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2019/04/09号

~働き方改革関連法の施行~の巻

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2019年4月に、働き方改革関連法が施行されます。どんな対応が必要になるのでしょうか…?

働き方改革関連法って、最近ニュースでもよく聞きますよね。でも、どんな法律なのかイマイチよく分かっていないかも…。

働き方改革関連法は、労働基準法、労働安全衛生法など、8つの労働法の改正を行う法律の通称ですよ。

あら。二人とも、話し込んでるけど、どうかしたの?

えりさん! よければ、働き方改革関連法について、説明してもらえませんか?

いいわよ。4月から行われる、主な見直しの内容について説明するわね。まず、労働基準法が改正されて、残業時間の上限規制が設けられるの。原則、月45時間・年360時間を超えることはできなくなるわ。繁忙期でも、月100時間未満・年720時間(休日労働時間を含む)を超えてはいけなくなるの。

月45時間ということは、1日2時間程度の残業という計算になりますね。

上限を超えると刑事罰が適用されるから、対策を講じることは企業の急務と言えるわね。

働く人にとって、毎日の休息は大事ですよね。

それから、休息時間を確保するための「勤務間インターバル制度」の導入も、努力義務として企業に課されたのよ。一日の勤務終了後から翌日の勤務開始までの間に、一定時間以上の休息時間(インターバル)を設けて、十分な生活時間や睡眠時間を確保するための制度よ。

残業時間を減らしたり、休息を確保するためには、労働時間をしっかり管理する必要がありますね。

ええ。また、労働時間の状況を客観的に把握することも企業の義務になるわ。特に、いままで把握することが義務づけられていなかった裁量労働制の適用者と管理職の労働時間についても、今後は健康管理の観点から客観的に把握する必要があるわ。

つまり、「すべての従業員」の労働時間を把握する必要があるということですね。

そうよ。加えて、年10日以上の有給休暇が付与される労働者に対して、企業はそのうち年5日の有給休暇については必ず取得させることが義務付けられたの。本人が自主的に取得しないときは、本人の希望を踏まえて企業の側から時季を指定して与えることとされているのよ。

以前から、大手の企業などでは有給休暇取得率の向上を進めているって聞きますけど、取得率が低い会社もまだまだありますよね。こうして見ると、長時間労働を防ぐための見直しがほとんどですね。

子育てや介護をしやすくするための働き方の見直しもあるわよ。フレックスタイム制の拡充ね。これまでは労働時間の調整(清算)が可能な期間が1か月だったけど、その期間が3か月まで延長されるのよ。

そういえば、新たに創設される「高度プロフェッショナル制度」も働き方改革の一環なんですよね。

ええ。自律的で創造的な働き方を希望する人が、高い収入を確保しながら、メリハリのある働き方ができるよう、本人の希望に応じた自由な働き方の選択肢を用意する制度よ。

自分の希望通りの働き方ができるっていいですね!

そうね。制度の対象となるには、年収や専門知識などの条件があるのよ。

よし、僕も、高度なプロフェッショナル人材になります!


【働き方改革における労働法見直しのポイント】
◆残業時間の上限規制
◆勤務間インターバル制度の導入促進
◆年5日間の年次有給休暇の取得を企業に義務づけ
◆労働時間の状況の客観的把握を企業に義務づけ
◆フレックスタイム制の拡充
◆高度プロフェッショナル制度の創設

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