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2019/06/11号

~嘘の情報に惑わされていませんか?~の巻

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真偽不明の情報が大量に存在するインターネットでは、確かな情報を見極める必要があります。

A社商品の異物混入動画、見ましたか? ひどいよなー。僕も拡散に協力しなきゃ!

待ってください! 動画解析の結果、加工されたいたずら動画だと判明したそうですよ!

情報の真偽を見極めるって、大切なことよね。

あ、えりさん!

インターネット上には、真偽不明の情報が大量にあるわ。嘘の情報を安易に信じて拡散してしまうと、間接的だとしても、人を傷つけたり、企業などの業務を妨害する加害者になりうるの。それと、嘘かどうか関係なく、インターネット上の情報を基に脅迫まがいの電話をかけたり、相手を誹謗中傷するようなことは犯罪よ。逮捕・起訴されたり、民事で訴訟を起こされることもあるわ。

実際、A社は今回の動画のせいで、売り場から商品が撤去されたり、大量の問い合わせへの対処に追われて大きな被害が出たので、警察に被害届を出したようです。

拡散していたら、僕も加害者の一員になっていたところでした…。

情報の正確性には、仕事でも気をつけなければいけないわよ。競合他社に関する真偽不明の情報を、確かめもせずお客様に伝えてしまった後、それが嘘の情報だとわかった場合、どうなると思う?

競合他社へ多大な迷惑がかかりますね。その情報が嘘だとわかったら、お客様や社会からの信頼も失ってしまいます。不正確な情報に惑わされた結果、会社に損害や不利益を生じさせた場合は、会社から懲戒処分を受ける可能性もありますよね。

その通りよ。だから、情報に惑わされないように、確かな情報を見極める必要があるの。

どうやって確かな情報か判断すればいいでしょうか(汗)

まずは情報源を確認すること。情報源はどこか調べ、同じ内容が確認できる複数の信頼性の高い情報源をあたるべきね。
①【必ず】【危険な】【大至急】など、強調表現、不安をあおる表現や急がせる表現が多い
②生命や金銭に関わる内容
③情報源が記載されていない・あいまい(伝聞形式)
④拡散を勧めている
このような内容が含まれている場合、嘘の情報かどうか、特に注意する必要があるわ。

そういう内容でも、写真や動画があると、信憑性が高いものと思っていました…。

写真や動画があっても、インターネット上にある既存のものを勝手に転用していることも多いから、それだけで信用できるとは限らないわ。最近は、実際の映像を巧妙に加工して、事実のように見せかける「ディープフェイク」動画を作成できるソフトも出ているのよ。判断が難しい場合は、不用意に拡散しないことが大切ね。

確かに。嘘の情報も、本当だと思いこんで拡散する人がいなければ、広まらないですよね。

ドイツでは、フェイクニュースや人種差別などの、違法性が明確な書き込みを、24時間以内に削除するよう、SNS事業者に法律で義務付けているわ。悪質な嘘情報の拡散を防ぐために、こういった法規制や検索機能の工夫など、さまざまな対策が、世界中で考えられているの。ただ、それも万全とはいえないから、私たちも、インターネット上の情報を見るときは、一見、信用できそうでも鵜呑みにせず、「本当かな?」と、情報の真偽を確認する癖をつけましょう。

はい!


嘘の情報に惑わされないために
◆ 真偽不明の情報は、情報源を確認する
◆ 画像や動画が掲載されている=信憑性が高いわけではない
◆ 本当の情報か、判断が難しい場合は、不用意に拡散しない
◆ 情報の真偽を確認する癖をつける

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