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2019/08/06号

~そのにおい、誰にとっても「いいにおい」?~の巻

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「匂い」「臭い」、両方とも「におい」です。あなたの「におい」は大丈夫?

は~、次の席替えはいつかな…。

大麦さん、なんか弱ってませんか?

後ろの席の某課長の、香水のにおいが辛くて…。

それは、スメル・ハラスメントと言えるかもしれないわね。

あ、えりさん!

ご本人は「いいにおい」のつもりでつけていると思うので、「ハラスメント」って言ってしまうと申し訳ない気がします。ただ、ご本人がいると、振り向かなくてもわかるほど、濃厚なにおいなんです。席にいる限り、逃げようがなくて…。

本人は、そのにおいに慣れているから、周りの人の感じ方に気づかないんでしょうね。

人工的な香料が体調不良を引き起こすことを指す「香害」という言葉もあるのよ。最近では、柔軟剤のにおいも問題になっているわ。

喫煙所から戻ってきた人の口臭や服に染み付いたにおいも、結構強烈ですよね。

困る「におい」といえば、何といっても体臭とか口臭でしょう。営業部時代は、お客様に不快な思いをさせないよう、訪問前に汗拭きシートを使ったり、歯磨きをしたりして、においには気を遣っていたものですよ…(遠い目)。

足尾さん、えらい!

いやあ、僕自身、かつてコンビを組んでいた先輩の、いろんなにおいを我慢していたものですから…。「人の振り見て我が振り直せ」ですよ、ハハハ(と調子に乗る)。

スメハラには、いわゆるパワハラ、セクハラにある「いやがらせ」というニュアンスはないけれど、受け手側に不快感があるかどうかがポイントになる、という意味では、「ハラスメント」の一種になるのかもしれないわね。

でも、いくら不快だからって、ご本人に「くさいです」なんて言えませんよ。

そうね、体臭や口臭がひどい場合は、病気が潜んでいる可能性もあるしね。不快だと思っても本人に直接言うのではなく、組織としての対応を求めた方がいいわ。産業医ににおいの原因を判断してもらうよう、上司から働きかけてもらうのも一案ね。

ただ、某課長の場合は、香水ですからね…。

上司である部長や人事部から注意してもらうという手もあるけれど、まずは対象を特定せずに、一般的なマナーの話として、コンプラ推進室で「職場とにおい」についての啓発活動を行って、ご本人が気づくきっかけをつくってみましょうか。

本当ですか!? ありがとうございます(涙目)。

会社は、すべての従業員がよい環境で働けるように配慮する義務を負っているから、当然のことよ。

それにしても、某課長って、香水をつける人でしたっけ?

いえ、それが先月から急になんですよ。

(眼鏡を光らせ)におうわね…。


スメル・ハラスメントと職場
◆香水や柔軟剤の香りが、周りの人に不快感を与える可能性があることを理解し、配慮する
◆周囲が我慢できないほど強いにおいは、職場環境に悪影響を及ぼす。強い体臭などは何らかの病気が原因である可能性もある
◆においの元となる人に注意を促す場合、会社の指揮命令系統を通じて行うとよい
◆職場での香水の利用について、社内規程を設け、周知することも有効である

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