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2020/01/15号

~その残業、ホントに必要?~の巻

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「残業時間の削減」は、働き方改革のテーマの一つですね。「早く帰りたいのに帰れない」という人もいれば、そうでない人もいるかもしれません…。

昨日は久しぶりに、がっつり残業してしまいました。まだ疲れが抜けません…。

大変だったね。ところで残業してた時、隣の部署のGさんは、まだいた?

ええ。あの方、いつも遅くまで残ってますよね。

どうして「いつも」残業しているのかしら。

あ、えりさん!

どうしてでしょうね。過重労働が続いているなら心配です。

いやいや、あの人、夜からエンジンがかかるタイプなんだよ。

それなら問題ね。昼から効率よく働けば、もっと早く帰れるってことでしょう。

うーん。でも、人にはペースってものがあるじゃないですか。

もちろん、ある程度は仕事の早い・遅いはあるわ。だけど、残業するほどの業務量じゃないのに、残業を前提にしたペースで働いているとなると、生活費を稼ぐ目的で意図的に残業する、いわゆる「生活残業」をしている可能性があるわね。

日本人の長時間労働の原因の一つは、生活残業だと聞いたことがあります。

生活の維持のために残業代に頼っている人が多いという状況は、社会全体の課題ね。

それに、長時間働いている人の方が評価が高い、っていう風潮も、まだまだ根強いかもしれません。

そうね。だから、そういう体質を改めるために、減った残業代を様々な形で従業員に還元する制度を導入するなど、従業員の生産性向上へのモチベーションをあげるための方策を打ち出す企業も出てきているわ。

うちの会社も、そうなるといいんですけど…。でも、昨日の私みたいに、いくら効率的に働いていても、業務量が多くて、残業しなければとてもこなせない場合だってありますよ。

必要な残業は、もちろん認めるべきだわ。「従業員一人ひとりの業務量やペースを把握したうえで、必要であれば管理職から残業命令を出す」という、組織の指揮系統に適った運用に基づいてね。それに、特定の人に過剰な業務量が課せられているようなら、組織として分担の見直しをすることも大切よ。

従業員が自分の裁量で勝手に業務量や労働時間を過度に調整できる、という状況は、健全ではないってことですね。

働き方改革もだいぶ進んできたし、これからは、生産性を維持しつつ残業を減らす働き方にシフトしていくんじゃないかしら。

僕は給料さえ上がれば、明日からでも「エブリデー・ノー残業デー」ですよ!

それってつまり、足尾さんは生活残業をしているってことですよね。

ハッ!(息をのんで固まる)

まだまだ仕事を引き受けられる余力があります、っていう宣言よね。覚えておくわ。(笑)


残業の削減のために
◆管理職には、部下一人ひとりの業務量やペースを把握し、必要に応じて残業命令を出したり、業務量の調整を図ることが求められる
◆職場として、従業員が自分の裁量で仕事量や労働時間を過度に調整できるという状況を、黙認しない
◆企業としても、生産性の向上に対する従業員のモチベーションを上げるための方策を講じた上で、働き方改革を推進する必要がある

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