お客さまに同意を得ずに通話を録音することは、個人情報保護法上、問題ないのでしょうか。
商品の問い合わせやクレーム対応時で、お客さまとの通話を録音することがありますよね?
よくあるよね。うちも、お客さまとの通話を録音しているよ。
通話って録音しても個人情報保護の観点から問題ないんですか?
う~ん。どうなんだろう。おっ、あそこにロクローさんがいるから、聞いてみよう!
ロクローさん!
個人情報保護法おいて、「個人情報」とは、生存する個人に関する情報であって、特定の個人を識別することができるものとしているよ。だから、お客さまとの通話を録音したデータに氏名やお客さま番号など、特定の個人を識別できる情報が含まれていると個人情報になるね。
ということは、問い合わせの電話が匿名であっても、電話番号などの特定の個人を識別できる情報が入っていれば個人情報ってことですか?
そのとおり。
その通話データが個人情報になる場合、お客さまの同意を得ずに通話を録音しても問題ないんですか?
個人情報保護法では、個人情報を取得する場合は、原則として、利用目的を取得先に口頭やカタログなどで通知するか、自社のウェブサイトなどで公表することが義務づけられているけど、本人に同意を得る必要はないから、通話を録音しても問題ないんだよね。
うちの場合、コーポレートサイトのプライバシーポリシーで、あらかじめ個人情報の利用目的を公表していますよね。
それに、お客さまからお電話いただいた際、あらかじめ「サービスの向上を目的として、通話を録音します」という音声案内を流していますが、それが、利用目的の通知に該当するってことですか?
そういうこと。うちはコーポレートサイト上で利用目的を公表しているから、電話を頂いたお客さまに、その通話を録音していることを伝えなくても法律上は問題にはならないんだけどね。
う~ん。法律的に問題がないとはいえ、ウェブサイトのプライバシーポリシーまで確認しませんし、断りや説明もなく通話を録音されるのは、私がお客さまの立場だったら、あんまり気持ちよくないです。
そう思ってしまうよね。だから、お客さま対応の観点では、やはり、通話開始時に通話を録音する旨を案内した上での録音が望ましいかな。
ギモンが解決してすっきりしました。ロクローさんにお聞きしてよかったです!
【お客さまとの通話を録音するときのポイント】
◆通話データに、氏名やお客さま番号など、生存する個人に関する特定の個人を識別できる情報が含まれている場合は、個人情報保護法上の「個人情報」にあたる
◆個人情報保護法では、個人情報を取得する場合は、原則として、利用目的を取得先に口頭やカタログなどで通知するか、自社のウェブサイトなどで公表することが義務づけられているが、本人に同意を得る必要はないため、通話を録音して個人情報を取得しても問題ない
◆通話を録音していることを伝えなくても、法律上は問題にはならないとはいえ、お客さま対応の観点では、通話開始時に通話を録音する旨を、お客さまに案内した上での記録が望ましい
<< 一覧へ戻る