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2021/09/14号

~男性社員、4人に1人がパタハラ被害に?~の巻

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みなさんは、「パタハラ」なんて自分には関係ない、と思っていませんか?

日本ではまだまだ男性の育児休業の取得は難しいよね。

確かにうちの会社でも、育休をとっているのはほとんど女性ですよね!

厚生労働省の調査によると、日本では男性の育休取得率はわずか7.5%程度で、取得したとしても1週間以内などの短期が7割なのよ。

ヨーコさん!

2021年6月、「育児・介護休業法」という法律が改正されて、男性が育休などの制度を利用しやすくなるよう環境づくりがなされようとしているわ。それに法改正にかかわらず、「パタハラ」には要注意よ。

パタハラって、どういうことを指すんでしょうか?

パタハラは「パタニティ・ハラスメント」の略で、「職場」において行われる、上司・同僚からの育休などの制度利用に関する言動により、制度を利用しようとする・利用した男性労働者の就業環境が害されることをいうのよ。「育休などの制度」というのは、育児休業・休暇のほか、国や社内の育児に関する制度全般のことね。

そうなんですね!

具体的には、上司が男性部下からの育休の取得申請を取り下げるように強要したり、「降格させるぞ」など不利益な扱いをほのめかした場合が典型的なパタハラといえるわね。ちなみに、厚生労働省の調査では「4人に1人の男性」がパタハラ被害に遭っているとも言われているの。

そんなに多いんですか!? 上司から部下へのパタハラはイメージがつきやすいですが、同僚同士のパタハラにはどんなものがあるんですか?

同僚が、育休などの制度利用に対して繰り返し嫌味を言って、利用を諦めざるを得ない状況に追い込むこともパタハラにあたるのよ。「こんな忙しい時期に、時間外労働の免除だなんて信じられない」と繰り返し言って、精神的に追い込んでしまうなどね。

忙しい時期で余裕がないと、不満を口走ってしまうことがあるのかもしれないね。

だから、同僚同士や、場合によっては部下から上司に対するパタハラも成立するわ。特定の人に向けた言動でなく、「育休取得する男性社員って変わってるよね~」などといって、育休などの制度を利用しにくい雰囲気を醸し出すのもハラスメントにつながる可能性があるわね。

自分の過去の言動に自信がないです…。私、誰かにパタハラしちゃったかもしれません…。

自分ではそのつもりはなくても、うっかりパタハラにつながる発言をしてしまっている可能性もあるもんなぁ…。十分注意しないといけないね。そういえば、僕が若い頃は、男性の育休取得とかを言い出せる雰囲気じゃなかったから、そもそもパタハラを受ける状態になかったな。

確かにそうよね。当社でも職場全体で意識を変えていかなければね!

「育休などの制度を利用したい人が利用するのは当たり前」っていう雰囲気になればいいよね。

そうですね!


パタハラ(パタニティ・ハラスメント)に関する基礎知識
◆パタハラは、「パタニティ・ハラスメント」の略で、「職場」において行われる、上司・同僚からの育休などの制度利用に関する言動により、制度を利用しようとする・利用した男性労働者の就業環境が害されることをいう
◆パタハラの典型例は、上司が育児休業の取得申請を阻害したり、降格を示唆したりするなどの嫌がらせを行うこと
◆同僚が育児休業等の制度の利用に対して繰り返し否定的な言動をとり、制度の利用を諦めざるを得ない状況に追い込むこともパタハラにあたる
◆職場で男性が育児休業等の制度を利用しやすい雰囲気作りをすることも大切

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