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第7回(最終回) 職場のコミュニケーションとコンプライアンス

まとめ by オオタケさん

会社にはいろいろな人がいます。価値観や考え方、性格などが自分とは合わない人もいます。しかし、ともに働く職場において、目的を達成するためには、すべての人と力を合わせなければなりません。そのポイントになるのが、分かり合おう、支え合おうとする気持ちで行うコミュニケーションです。

東レ経営研究所特別顧問の佐々木常夫氏のご著書のなかに、「正しいコミュニケーション」と「良質なコミュニケーション」の重要性についての話があり、とても共感しました(※1)。「正しいコミュニケーション」は、お互いに情報を共有するために行います。仕事を始めるにあたって、「その仕事の重要性」「締め切り」「品質基準」「前提となる事実」などを確認する。そのためには、相手の真意をしっかりと聞く。そして、不明確な点や疑問点があれば質問をする。こうしてチーム内で情報をしっかりと共有化する大切さを、佐々木氏は指摘されています。もう一つの「良質なコミュニケーション」は、言い換えれば、気持ちの温かさが通うコミュニケーションです。同じ事実関係の確認でも相手を思いやる気持ちの入ったコミュニケーションです。個人的事情や趣味、大切にしていることを理解し、それなりの配慮をすることなど、相手に興味や関心を持つことと言えるかもしれません。

こうしたコミュニケーションが風通しの良い職場を作り、うっかりミスや誤解によるトラブル、不正や不祥事・コンプライアンス問題の発生の防止になるのではないでしょうか。

※ 1: 佐々木常夫著『働く君に贈る25の言葉』WAVE出版(2010年)