コンプライアンス教育を展開するにあたって、コンプライアンスを「組織全体で対応する活動」と位置づける重要性を、オオタケさんは日々感じています。
多くの場合、企業内の組織では、組織目標が設定され、その達成に向けて、従業員個人の目標が設定され、一人ひとりのメンバーが、それらの目標の達成に向けて活動しています。また、組織においては、一人ひとりの従業員の行動や判断は、所属する組織の上司や仲間の考えに大きく左右されます。
「コンプライアンスというと、不正行為や違反行為に焦点があたりがちです。そのせいか、個人の倫理観の欠如や、法的な知識の不足など、個人の問題がクローズアップされがちな傾向があるように思います」とオオタケさん。
「もちろん、個人の問題という側面もありますが、コンプライアンスは、社会からの要請に柔軟に対応しながら組織目標を達成するための企業活動です。ですから、コンプライアンスを、『個人』に対してよりはむしろ、企業という『組織』に対して求められていることととらえ、教育活動を実施していく必要があると考えています」