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法務部の部長・川名智雄氏と、同部コンプライアンス推進課の米山拓氏

第29回 株式会社CSKホールディングス(1)

第29回は株式会社CSKホールディングスをお訪ねしました。コンプライアンスについてのグループ共通の取り組み方針を決定し、共通教育を実施するなど、グループ全体で啓発活動を推進しています。今回は法務部の部長・川名智雄氏と、同部コンプライアンス推進課の米山拓氏にお話をおうかがいました。

(インタビュアー:足尾)

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◆1 コンプライアンスについて

御社における、コンプライアンスの定義とはどのようなものですか?また、組織体制についてもお聞かせ下さい。

川名氏  CSKグループでは「法令、CSKグループ企業行動憲章およびCSKグループ役員社員行動基準ならびに規程類等、さらには社会の良識や常識(社会規範)をも遵守すること」とコンプライアンスを定義しています。さらにコンプライアンスは、CSKグループが事業を進めていく上での共通基盤であり、グループ各社の事業拡大・充実に向けた創意工夫や取り組みは、あくまでもコンプライアンスの上にこそ成り立つものと位置づけています。
組織体制としては、CSKホールディングスのリスク・コンプライアンス委員会に加え、グループ各社にもコンプライアンス委員会を設置し、グループ共通のコンプライアンス方針や規程類に基づき運営しています。また、グループレベルでヘルプライン(内部通報制度)を導入し、コンプライアンス違反の早期発見・解決を図っています。

組織体制図

コンプライアンスの取り組みについてホールディングスならではの強み、苦労されている点等があれば教えてください。

川名氏  グループ一体経営が経営方針となっており、コンプライアンスにおいてもグループ共通のコンプライアンス研修やコンプライアンス意識調査を定期的に行っています。対象となる会社数や対象者が多いため、各種施策の実施やルールの周知徹底などには工夫が必要です。今年度からグループ共通のポータルサイトを稼動しており、情報発信等に活用しています。

法務部部長、川名智雄氏
法務部部長、川名智雄氏

グループ共通の定期的なコンプライアンス教育の実施とは具体的にはどのような施策をおこなっていますか?

米山氏  CSKグループの全社員を対象に、年一回「コンプライアンス基礎研修」および「機密情報管理・個人情報保護研修」を実施しています。それぞれグループ内で発生した事件・事故やコンプライアンス意識調査でリスクが高まっている項目等をタイムリーに反映した研修内容で実施しています。例えば、今年度のコンプライアンス基礎研修には、政府指針等により注目が高まっている反社会的勢力への対応も盛り込みました。

法務部コンプライアンス推進課、米山拓氏
法務部コンプライアンス推進課、米山拓氏

グループ全体の膨大な人数に対して、統一した研修「コンプライアンス基礎研修」をどのように行っていますか?工夫していることはありますか?(eラーニング、冊子配布、効果的な集合研修のやり方があれば…)

米山氏  グループ全社員向け研修はeラーニングで行っています。グループ全体でCore教育というLMS(Learning Management System:学習管理システム)を導入しており、自分の所属する会社を意識することなく受講できる環境を構築しています。
「コンプライアンス基礎研修」の教材としては、第一法規の「会社員のためのコンプライアンス入門」に加え、「CSKグループ企業行動憲章/役員社員行動基準」および「CSKグループにおけるインサイダー取引防止ルール」を記載したオリジナルテキスト「CSKグループ役員社員のためのコンプライアンス入門」を作成・配布しており、研修を受講する際にも参照してもらっています。
テキスト以外では、CSKグループの役員・社員、それからビジネスパートナーの方に対し、「CSKグループ企業行動憲章/役員社員行動基準」を記載した携帯型カードを配布しています。このカードには、コンプライアンス違反に関する通報・相談先であるCSKグループヘルプラインや情報漏えい事故等が発生した場合のCSKグループ緊急連絡センターの連絡先も記載しており、何かあった際に「頼りにしてもらえるカード」となるよう工夫しています。

グループ社員全員を対象とした意識調査とはどのようなものですか?

米山氏  グループ共通のコンプライアンス施策(憲章・基準、グループヘルプライン、緊急連絡センター等)の浸透度、コンプライアンスリスクの変化、身近なコンプライアンス違反等について、毎年、グループ全社員にアンケート形式で調査を実施することによりモニタリングしています。調査結果は、グループ全体だけでなくグループ各社ごとにもまとめて、各社へフィードバックすると共に、毎年策定するグループコンプライアンス方針や各種研修にも反映しています。

企業行動憲章の中で防災をうたっているというのも珍しいですが「人を大切にする」方針の一環ですか?具体的にはどのような施策をおこなっていますか?

川名氏  当社にはリスク・コンプライアンス委員会の下部組織として「災害対策部会」を設置しています。また、災害が発生または発生するおそれがある場合において、その被害を最小限にとどめまたは被害を未然に防止することにより、役員、社員およびその家族の安全確保ならびに早期な「事業継続」再開となり得る事前の防災力を高めることを目的に「災害対策規則」を制定しています。

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*この記事は2008年11月に取材したものです

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