第一法規株式会社|教育研修一覧

todanabar
総務部の齋藤雄二氏と古藤田弘氏

第47回 エバラ食品工業株式会社(1)

第47回は、エバラ食品工業株式会社を訪ねました。
お話をうかがったのは、総務部の齋藤雄二氏と古藤田弘氏。「おいしいものを、さらにおいしく」をうたう同社。「我々は商品を提供していますが、食べてくださる消費者の方の笑顔や会話も、さらにおいしくする要素です。これから鍋の季節ですから、みなさんで、笑顔で食べてほしいですね」とのこと。コンプライアンス推進活動を開始して数年。コンプライアンスが、営業活動や利益につながることを実感しながら、次のステップへ向けた活動を進めていらっしゃいます。

(インタビュアー:よっしー)

line

コンプライアンス活動を通して、営業活動に直結するような「気づき」が生まれているそうですね。

齋藤氏  「困難に思える課題も、話し合えば、簡単に答えがみつかる」ということが、コンプライアンス活動を通して見えてきました。コンプライアンス活動が、営業担当者どうしの情報交換やコミュニケーションの促進につながっていると感じています。

もう少し具体的に、お聞かせいただけますでしょうか。

齋藤氏  一例をあげますと、営業活動において、お得意先様とのやりとりのなかで判断に迷う場面も多々あります。そういう場面で悩んでいる担当者がいる一方、自然にうまく対応できる担当者もいます。そういったささいなことについても、コンプライアンス活動を通して、「あ、そういうふうに考えて、対応すればいいんだ」といったような気づきが生まれていますよね。

総務部の齋藤雄二氏と古藤田弘氏

コンプライアンス活動を通して、営業担当者どうしの情報交換や会話の機会が増えるということですね。

齋藤氏  そういうことです。コンプライアンス活動を通して、いろいろな担当者の話を聞く機会が増えますから、お互いに気づきあう機会が生まれるのでしょう。今後は、これまでのコンプライアンス活動で培ってきた、あるいは生まれてきたいろいろな課題や、それに対するいろいろな考え方や答えを、現場でもっと共有できるようなかたちで、当社独自の事例集としてまとめていくことも対応していきたいと思っています。

これまでのコンプライアンス活動で培ってきた…とのことですが、コンプライアンスに対する取り組みは、いつごろからスタートされたのですか。

古藤田氏 株式を上場する関係もあり、具体的なコンプライアンス強化活動は、2004年から開始しました。最初は、3年計画のもと、社内規程等の整備から取り組みはじめました。それら規程類等については、手引書となる冊子を作成し、グループ会社を含む全社員に配布しました。

コンプライアンス・マニュアル

齋藤氏  各職場でのコンプライアンス勉強会も、立ち上げのころは、我々総務部のほうから、各事業所に出向いて、一緒になって勉強会を実施したりしましたね。

御社のように、はやくからお取り組みを始められた企業は、どこも次のステップに向けて、お悩みをかかえていらっしゃるように感じています。

齋藤氏  これからは、「『守り』のコンプライアンスから『攻め』のコンプライアンスへ」とでもいいましょうか。当社がコンプライアンス活動にしっかりと取り組んでいることが、まわりからきちんと認知されることは、企業としての「強み」だと感じています。

齋藤氏

具体的に「強み」を感じるようなことはありますか。

齋藤氏  すでに営業現場の現象としてあらわれてきていますが、当社がコンプライアンスにきちんと取り組んでいることが周知されてくると、「おたくはコンプライアンスが厳しいからな」、「コンプライアンスにうるさいからな」と、他の企業が当社に対しておかしな要求をつきつけたり、ズルをしてどうにかしようとしたりといったことはなくなってきますよね。

たしかに、コンプライアンス活動へのしっかりした取リ組みが認識されてくれば、他の企業も御社に対して、無理を言ってくるようなことはできなくなるでしょうね。

齋藤氏  もちろん、それだけではいけませんが、コンプライアンスに対して本気で取り組むことが、対外的に歯止めになるということは事実だと思います。企業としては、コンプライアンスやCSRを、武器としてアピールしていく姿勢も大切でしょう。

まさに「攻め」のコンプライアンスですね。

齋藤氏  コンプライアンスをやると、営業がしやすくなるし、自分たちの利益になる。そのことが当社内でも今以上にきちんと伝わり、理解されてくると、コンプライアンス活動というのは、だまっていてもまわるのだと思います。完全にそういう状態になるまでは、まだまだ我々事務局側がすべきこともたくさんあると認識しています。

― この続きは、こちら! ―
*この記事は2009年10月に取材したものです

Copyright(C)DAI-ICHI HOKI co.ltd. All Rights Reserved.
無断転載、複製はお断りします。本サイトのお問合せはこちら