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第53回 ファミリーコーポレーション株式会社(1)

第53回は、ファミリーコーポレーション株式会社を訪ねました。
お話をうかがったのは、執行役員・コンプライアンス部長兼CSRコンプライアンス課長の石田薫氏。ファミリーコーポレーション株式会社は、伊藤忠グループの一員で1998年に設立されました。コンビニエンスストアのファミリーマートさんの物流を担っている会社で、社員の平均年齢は30歳代前半の若い会社です。

(インタビュアー:たなやん)

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まずは御社を紹介していただけますか。

石田氏  ファミリーコーポレーションの最大の取引先はファミリーマートです。全国約7,600店舗に、約束する時刻の15分以内の誤差で配送を正確にコントロールし、“安全・安心・安定した食品”を届けています。コストの合理化を図りながら、物流の企画・提案をすることにより、質の高い物流サービスを提供している会社です。

御社とファミリーマートさんとの関係を教えてください。

石田氏  ファミリーマートの物流を担っている当社では、ファミリーマートのロゴが入っているトラックを協力会社によって運営しています。

御社におけるコンプライアンスのリスクは何だとお考えですか。

石田氏  物流の仕事になりますので、現実に起こりうる最大のリスクとして、交通事故・交通違反があげられます。当事者は、当社であり物流企業の協力会社なのですが、一般のお客様から見れば、ファミリーマートのロゴ車での交通事故・違反となりますので、ファミリーマートの事故・違反と捉えられます。ファミリーマートの企業イメージという観点から、この問題も大きなリスクだと認識しております。

御社では、ファミリーマートさんの物流のプランニングやシステム構築などを含め一括して請け負っているのですね。

石田氏  ファミリーマートのハイブリッド車
はい、そうです。たとえば、ファミリーマートの店舗に商品を運ぶ配送車両の低公害車化を推進し、排出ガスの削減をはかっています。排出ガス削減効果の高い「CNG(圧縮天然ガス)車」を1998年に導入したのをはじめ、2004年には電気モーターとディーゼルエンジンを併用する「ハイブリッド車」をコンビニエンスストア業界で初めて導入しました。

エコドライブ管理システムも導入されていますね。

石田氏  配送車両の環境負荷低減を一層強化するために、すべての車両へ「エコドライブ管理システム(EMS)」の搭載を完了しました。
EMSは、走行距離、燃料使用量、速度など、運転時のあらゆるデータを測定することで、ドライバー一人ひとりの運転状況を把握できるシステムです。このデータをもとに配送ルートを見直し、コストの削減をはかることはもとより、急発進や急ブレーキ、またアクセルワークやブレーキ操作など、ドライバーの運転方法を改善・指導することで環境対策にも役立てています。

ファミリーマートさんの物流についてのCSRを御社が代行・支援している形ですね。

石田氏  商品を運ぶ際のバットのリサイクルなど、環境対策にも積極的に取り組み“地球に優しい企業”を目指しています。結果として、ファミリーマートの物流についてのCSR、環境への取組みの代行・支援を実行しています。

伊藤忠グループとしてのCSR活動について教えてください。

石田氏  伊藤忠グループにおいて、実効性のあるCSR活動推進のためには、グループ全体での取組みが不可欠です。その認識のもと、CSR活動を計画的により多くのグループ会社、海外の拠点、さらにはサプライチェーンにまで広めていきたいと考えています。

コンプライアンス部長兼CSRコンプライアンス課長の石田薫氏
コンプライアンス部長兼CSRコンプライアンス課長の石田薫氏

伊藤忠グループとしてのコンプライアンスの取組みについて教えてください。

石田氏  私たちファミリーコーポレーションのコンプライアンス推進体制の大元にあるのは、伊藤忠グループとしてのコンプライアンス体制です。具体的には、伊藤忠グループでは、カンパニーなどの各組織のみならず、各グループ会社においてもコンプライアンス責任者を設置し、コンプライアンスプログラム・法令リストの策定をはじめとするコンプライアンス体制を構築し、運用しています。
グループ会社のコンプライアンス責任者が一同に会する「グループ連絡協議会」が毎年2回開催され、コンプライアンスに関連する動向や時々の状況に応じた法令研究講習などを行っています。

「コンプライアンス情報局」について教えてください。

石田氏  2007年度からは伊藤忠商事のコンプライアンス室からメールマガジン「コンプライアンス情報局」が定期的に、グループ会社へ配信されます。時事情報や身近に潜む法令違反の危険性などを取り上げた「トピックス」や、法改正などを踏まえた「法令動向ニュース」、グループ会社への「ご挨拶」といった三つのコーナーを設け、情報発信・共有の一つの有効なツールとなっています。
この「コンプライアンス情報局」は身近なテーマで書かれていますので、ファミリーコーポレーションの社員にそのまま転送しています。また、弊社のコンプライアンス研修の際の資料としても活用しています。

今日は、どうもありがとうございました。

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*この記事は2009年11月に取材したものです

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