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CSR推進部CSR推進グループの武藤文昭氏と小山真則氏

第68回 株式会社間組(1)

第68回は、株式会社間組をお訪ねしました。
同社では、経営トップの強い意思のもと、定期的なコンプライアンス監査の実施をはじめとした、全社的なコンプライアンスの取組みをすすめていらっしゃいます。CSR推進部CSR推進グループの武藤文昭氏と小山真則氏にお話を伺いました。
インタビュー時期:2011年6月

(インタビュアー:えり)

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全社一丸となったコンプライアンスの取組みのスタートにあたって、経営トップの確固たる意思表示があったと伺いました。

小山氏  はい。全社的な取組みを開始した当初から、経営トップは、「コンプライアンスは経営の基盤である」という明確な意思表明をしています。これは、「コンプライアンスは継続がなによりも大事である」というメッセージとともに、当社のコンプライアンスの二本柱になっています。

武藤氏  コンプライアンスの全社的な取組みを開始したのは2006年10月のことです。法律改正による内部統制整備の義務化や行政処分の厳罰化を背景に、より適正な経営の実現に向け取組みをスタートさせました。

小山氏  コンプライアンスを全社に浸透させる役目を担うわれわれ「CSR推進部」の前身となった「コンプライアンス推進部」も、そのときに設置されました。

当時の「コンプライアンス推進部」が、いまでは「CSR推進部」になっているのですね。

武藤氏  これからは、コンプライアンスだけでなく、より幅広く企業の社会的責任という観点から、活動を総括的に推進する必要があると考えました。そこで、CSRという視点にたってさらに活動を進めていくために、2010年4月に「CSR推進部」を組織し、その中の「CSR推進グループ」が、おもにコンプライアンスを担当することとなりました。


CSR推進部CSR推進グループ長 武藤文昭氏

これまで、どのようなコンプライアンス活動を展開されてきましたか?

小山氏  まず体制作りからスタートし、2006年10月にコンプライアンス委員会、コンプライアンス推進部を設置し、11月に内部通報制度を制定しました。その後2007年3月にコンプライアンスマニュアルを制定しました。このときにカード型の携帯用行動規範も作成し、全役職員へ配布しました。


ハザマ行動規範
※クリックすると拡大します

武藤氏  先ほども述べましたが、コンプライアンス活動を展開するにあたり、当初から経営トップは事あるごとに「コンプライアンスは経営の基盤である」「コンプライアンスは継続がなによりも大事である」、と言い続けてきています。そのことが、非常に大きな力となって、会社の姿勢や行動が社員にストレートに伝わり、社員の考え方も変わっていきました。

経営トップの力強い意思というのは、どこの企業においても、コンプライアンス活動の要といえるかと思います。ところで、「コンプライアンス監査」を実施されているとのことですが、これはどういった取組みでしょうか?

武藤氏  当社の各支店では、支店長がコンプライアンス推進責任者、管理部長がコンプライアンス推進担当者になっています。

小山氏  支店長がコンプライアンスの責任者であるという位置づけを明確にして、それぞれの支店におけるコンプライアンスのすべてに責任を持つという仕組みです。この仕組みや取組み状況をチェックするために定期的に実施しているのが「コンプライアンス監査」です。


CSR推進部CSR推進グループ 小山真則氏

武藤氏  コンプライアンス監査は、CSR推進部の監査・内部統制グループが、一般の業務監査とともに実施しています。具体的には、各支店のトップや幹部にヒアリングを行い、普段の取組み状況を確認します。

小山氏  コンプライアンス監査は各支店年1回の頻度で、2~3日程度かけています。ヒアリングのほかに書類監査と実地監査を行っています。本社の各部署でも実施しています。

武藤氏  コンプライアンス監査の結果は「コンプライアンス委員会」に報告し、社長や副社長もすべて目を通しています。このような取組みにより、常にコンプライアンスの態勢が機能しているか、チェックするようにしているのです。

大変な労力をかけて、コンプライアンス監査を実施されているのですね。そのような会社の姿勢、本気度が全社に伝わり、実のある取組みにつながっているのではないかと思います。各支店では、日ごろ、どのようなコンプライアンス活動をされているのですか?

小山氏  例えば、受注時の「コンプライアンスチェック」があります。つまり、工事の受注であれば、仕事の話が入ってきた時に、「その仕事に取り組むか否か」の判断があるということです。ここで、「その工事はコンプライアンスに違反していないか」というチェックが必要になります。まずは管理部長が確認し、最終的には支店長が意思決定をすることになります。シンプルなようですが、コンプライアンスを守るためには工事受注時の入口管理が重要であり、このチェックは重要なポイントの一つです。

武藤氏  受注時に限らずコンプライアンスチェックというのは本当に大変です。お客様はさまざまなご希望・ご要望を持っていらっしゃいますが、ときにコンプライアンスの観点から、すべてのご希望やご要望にお応えできないこともあります。そのようなときには、きちんとお客様にご説明して、納得していただくことが重要です。そのためには、コンプライアンスにかかわる知識をしっかり持ったうえで、お客様にお伝えすべきことはきちんとお伝えしなければなりません。

小山氏  私たちの業務は信用が第一です。「それはお応えできませんが、こういうことでいかがでしょうか」と、別の提案を出していくのも、腕の見せ所ですね。

武藤氏  こうした判断は業務のあらゆる場面で必要になります。支店では担当者が管理部長など上長に相談しますが、判断に迷うときは、小山のところに電話が入ってきます。

組織として相談できる態勢ができているのは、とても大切なことですね。

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*この記事は2011年6月に取材したものです

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