第一法規株式会社|教育研修一覧

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CSR本部コンプライアンス室長、佐藤様

第15回 丸文株式会社(1)

第15回は丸文株式会社におじゃましました。
丸文株式会社は、創業1844年、社名からは想像しにくいのですが、先端エレクトロニクス技術を基盤とする産業と研究開発分野を事業領域としているユニークな会社です。「お客様第一主義」を掲げて、新たな時代を切り開く最良の商品・情報・サービスの提供に努めています。今回は、CSR本部コンプライアンス室長の佐藤さまにお話をお伺いいたします。

(インタビュアー:よっしー)

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御社が掲げる「お客様第一主義」は、具体的にどのように認識されていますか?

佐藤氏  当社では、強固なグループ経営を推進するために、従来の経営理念や倫理行動基準を見直し、新たに「企業理念」「企業行動憲章」「行動規範」というグループで共有する企業理念体系を作り、この4月に社長の宣言を付して社内、グループ会社に通知しました。
新しい企業理念は、3つの文で構成されています。1つ目は社会との関わり、すなわち、どのような社会の実現に貢献していくのかということ。2つ目は、私たちに利益をもたらし、事業を支援してくださるお客様と、どのような関係を築きたいのかということ。そして、3つ目は、会社を支え、事業を拡大する主体である社員に対する姿勢を示しています。「お客様第一主義」の基本精神を、改めて企業理念という形で表わしました。

この企業理念を実現するために、どのような取組みをされていますか?

佐藤氏  企業理念を実現するための具体的な価値判断基準として8項目からなる「企業行動憲章」を定めました。その5番目が「お客様の満足の向上」で、「私たちは、お客様にとって価値ある商品やサービスを提供し、そのニーズや期待に応えます。」という会社の基本姿勢です。
この企業行動憲章を実践するために、より具体的に行動規範として定められていますが、
(1)商品・サービスの安全性・品質・信頼性の確保
(2)お客様の満足・信頼の獲得
という大きな2つの視点で、役職員は行動の価値判断を行ないます。私たちは、お客様が満足し、お客様との信頼関係を築いた結果としての利益があるということを肝に銘じて、日々の事業活動を展開することとしています。

商品・サービスの安全性・品質・信頼性の確保とはどのような事ですか?

佐藤氏  お客様に提供する商品やサービスは、社会的に有用で安全なものであることが大前提です。さらに、人の生命、健康、安全を尊重し、社会的ルールを守り、社会的な責任をきちんと果たすことを実践しなければなりません。そのために、すべての部署、グループ会社において、品質マネジメントシステムISO9001の認証を取得し、安全性と品質、信頼性の確保に努めています。製品含有化学物質管理マネジメントシステム(CMS)などにも取組んでいます。

お客様の満足・信頼の獲得とは、どのような事ですか?

佐藤氏  お客様からのお問合せや苦情に対して、お客様の立場で考え、誠意をもって対処しなければなりません。また、重要なクレームについては、仕入先に迅速にフィードバックし、問題の再発防止や品質の改善・改良に努めます。そういう誠実な営業活動やサービス活動をベースに、お客様の「かゆいところに手の届く」活動、「さすが丸文さん」と感激してもらえることを心がけることだと思っています。

企業行動憲章や行動規範の浸透について、具体的にはどのようにして徹底、浸透を行っていますか?

佐藤氏  昨年までは、浸透のためのPDCAの管理サイクルを適切に回すことを念頭に活動してきました。この浸透の管理サイクルは、たまたま第一法規さんの「Compliance Letter」(Vol.6:2004/12/24)に紹介されていたもので、これを活動のフレームワークとして、教育プログラムや事例集、掲示板の運用、モニタリングの方法などを考えて、実践してきました。
本年度からは、グループ会社全体で行なうための新しいPDCA管理サイクルのフレームワークを作り、年度の活動方針やテーマを決め、モニタリングなどの方法を検討していきます。

教育研修の内容を具体的に教えてください。

佐藤氏  教育プログラムは、階層別が前提です。役員研修については、これまで個人情報保護法や改正不正競争防止法(営業秘密)、情報セキュリティ、「会社法」、「内部統制とリスクマネジメント」などをテーマに毎年、顧問弁護士に講師を依頼して行なってきました。
管理職研修では、「コンプライアンスの基礎」「情報セキュリティ」「リスクマネジメント」などを、我々が講師になって実施してきました。その受講内容を、管理職から組織構成員に展開してもらいました。一般教育は、今から5年ほど前に、第一法規さんのe-ラーニング「コンプライアンス概論」を、その翌年には「情報セキュリティ」を、全役員・社員・派遣等に受講してもらいました。ほかにも、新入社員導入教育や、中堅社員教育などを実施しています。できる限り多くの機会を設けて、研修や教育を行なっていこうと思っています。

具体的にはどのようなツールを使って浸透を図られていますか?

佐藤氏  昨年度まで、倫理行動基準の解説である「ハンドブック」を作成して社員に配付したほか、社内の電子掲示板にも掲載し、いつでも誰でも常時参照できるようにしました。
また、「コンプライアンス事例集」・「法令解説集」の小冊子を作り、全社員・関係会社に配付しました。同時に、それらを電子掲示板にも掲載しました。
昨年度末から、第一法規さんの「ミニドラマで学ぶコンプライアンス」も利用しています。
さらに、アンケートで寄せられた質問に対する回答や報告書なども掲示板に掲載しました。

トップからの意向で浸透させたようなツールはありますか?

佐藤氏  今年は、まず、社長から宣言という形で、2008年4月1日に「企業理念」や「企業行動憲章」を社内と関係会社に通達がなされました。その内容の具体的な説明と、浸透、徹底の活動を、私たち「コンプライアンス室」が取り組んでいます。
まず、ツールですが、1つには第一法規さんの「ミニドラマで学ぶコンプライアンス」に、社長が役職員に訴えかける動画を追加し、社長メッセージと企業理念、企業行動憲章、行動を収録して、全社員、全グループ会社に視聴してもらい、感想や意見、類似事例や気付き事項などについて、部門ごとに話し合ってもらうことにしています。
ともすれば難しくなりがちなコンプライアンスですが、社長からは、専門語を使わず、できるだけ具体的にイメージしやすいものにするようにと指示されていますし、私たちもそのように心がけています。

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