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経営企画本部IR・広報室マネージャー、有川裕子氏

第35回 ピジョン株式会社(1)

第35回は、ピジョン株式会社をお訪ねしました。育児用品を中心に手がける同社は、企業価値を高めるCSR活動に20年以上も取り組んでいらっしゃいます。「愛」という経営理念が商品や制度を通じて一貫して実現されています。今回は、経営企画本部IR・広報室マネージャーの有川裕子氏にお話を伺いました。

(インタビュアー:よっしー)

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◆ 内部統制について

「スピークアップ窓口」、「ピジョンパートナーズライン」を設置されたそうですが、どのようなきっかけからでしょうか?

有川氏  「スピークアップ窓口」は、コンプライアンス体制の一層の向上を目指すことを目的とし、社内体制を改めて整備しようという中で設置されました。
これは、コンプライアンス違反に該当するような場面を目にしたグループ役員や社員が連絡、相談できる窓口です。連絡、相談先としては、本社の常勤監査役、人事・総務部のチーフマネージャー、もしくは顧問弁護士となります。どこへ連絡、相談するかは各人に任されています。原則として匿名ではありませんが、規定で保護されるため、コンプライアンス会議以外には開示されませんし、顧問弁護士あての場合は会社にも開示されません。そして、この窓口利用を理由として不利益を被らないように定められています。
また、コンプライアンス違反に関しては社内だけでなく、社外でも厳しい目をもたなければなりません。そこで、社内システムである「スピークアップ窓口」を社外の方にもご利用いただこうということで、「ピジョンパートナーズライン」を設置いたしました。
こちらの連絡、相談先としては、人事・総務部のコンプライアンス事務局か、顧問弁護士となっており、封書かEメールでのご連絡をお願いしています。もちろん、こちらの場合もご連絡いただいたことを理由として不利益となるようなお取扱いをしないということはお約束しております。

実効性あるコンプライアンス経営のために、コンプライアンスプログラムを整備されたそうですね。どのような内容ですか?

有川氏  コンプライアンスガイドブックまず、総務部門が中心となって、「企業倫理綱領」を制定し全社員へ告知しました。これは、ピジョングループの社員として、海外関連会社も含めて、法令だけでなく社会規範やその精神を遵守し、また、高い倫理観をもって行動するための規範として位置づけています。そして、社是や企業倫理指針等を盛り込んだ『コンプライアンスガイドブック』を作成し、全社員に配布し認知度を高めました。その後、それに基づいた教育を行うことで、さらに全社員の中に根付かせる活動を行っています。



「事業リスク」「財務リスク」「ハザードリスク」「コンプライアンスリスク」と分けてリスク管理する体制をとっているのですね。

有川氏  全体の体制としては、リスクマネジメント推進委員会規則に基づいています。まず、代表取締役社長のもとに、グループ全体のリスク管理に関する総括責任者としてリスクマネジメント推進委員長をおいています。そして、この四つのリスクカテゴリーごとに責任部門を明確にしており、常にリスクの洗い出しや評価を行い、継続的な監視が行えるようにしています。

◆ 社内研修

eラーニングを活用した社内研修を実施されているのですね。

有川氏  はい。eラーニングは、全社員が比較的手軽に取り組むことができるツールだと思います。個人情報やコンプライアンス、情報セキュリティ、確定拠出年金の継続教育などに加えて、「赤ちゃんを知ろう」というシリーズがあります。これは育児用品メーカーの社員として、どの部門の社員でも赤ちゃんについての知識を語れるようになろう、という取組みです。赤ちゃんの成長過程における知識や、どの時期にどの商品を使うかなど、まさにピジョンならではという内容となっています。

自社の商品に対応したeラーニングは、面白そうですね。

有川氏  意外に難しかったりするので、みな真剣に取り組んでいます。商品に直接関らない部署の社員にとっては貴重な機会ですし、また、日ごろ商品を扱っていてもなかなか頭の中で全て整理されていなかったりするので、整理できるいい機会だと思っています。

Eラーニング画面
Eラーニング画面

管理職対象のメンタルヘルス講習はどのようなきっかけで行ったのですか?

有川氏  以前から、人事部門と産業医との定期的なミーティングの中で、これからの労務管理においては従業員のメンタルヘルスに着目したマネジメントも必要である、ということが話しあわれていました。また、私どもでは2003年に人事制度を成果主義へと変更したのですが、当時、成果主義に移行した会社にメンタル的な問題を抱える社員が増える傾向がある、ということも耳にしており、その対策として管理職を対象とした講習を行おう、ということになりました。対象はマネージャー以上で、まず、産業医による講演で、「いまどきの社員の現状」についてがテーマでした。その後、メンタルヘルスの専門家による具体的な症例紹介と対処法について研修しました。

経営企画本部IR・広報室マネージャー、有川裕子氏

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*この記事は2009年3月に取材したものです

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